代表:品川真一
スレート屋根なら何でも塗装できるというものではありません。アスベストが入っていない初期の屋根材には、いくつか塗装できない屋根材があります。
ニチハのパミールはその代表格の屋根材です。このページでは、ニチハのパミールの見分け方や補修方法を説明していきます。
ニチハのパミールの特徴
パミールは、住宅建材メーカーであるニチハ株式会社が1996年(平成8年)から2008年(平成20年)の間に販売していた屋根材です。
パミールは経年劣化が進むと、スイーツのミルフィーユのように屋根材の先端部分からボロボロと剥がれてくる現象がよく起こります。
この現象が起こる原因は、屋根材にアスベストが含まれていないため、屋根材自体の強度が不足しているからと思われます。ちなみに、メーカー側は原因不明と発表しています。
屋根材そのものがボロボロになってしまっては、塗装では補修できません。
また一度剥がれ始めると、風が吹いただけでさらにボロボロと屋根材が剥がれ、樋の中に溜まって排水不良を引き起こすこともあります。
とはいえ、普段屋根に上がることはほぼないでしょうから、気付くことが出来るとすれば、駐車場など建物の敷地まわりに屋根材らしき破片がいくつも落ちていたり、あるいは点検などで業者から指摘を受けたときくらいになるでしょう。
【パミールを見分ける方法1】図面を確認する
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パミールかどうかを見分け方として確実なのが、図面を確認する方法です。
建築図面の特記仕様書の「外部仕上げ表」もしくは「断面図」に記載があれば確認ができます。
ただ、図面にはカラーベストとしか記載されていないことも多く、その場合は施工した建築業者に聞いてみなければなりません。
図面と建築業者にも記録が残っていない場合は、屋根材の劣化状況や形状から判断するしか方法はありません。
【パミールを見分ける方法2】劣化状況や形状から判断
まず、パミールは下の写真のような形をしています。
丸い円の部分に釘を打って屋根材を留めつけてありますが、この部分は上に被さる屋根材で隠れているので通常は見えません。茶色く錆びている部分が釘頭です。
次の写真は、パミールの特徴的な劣化症状です。屋根材の先端部分がミルフィーユのようにボロボロ剥がれてきます。剥がれた屋根材は雨風によって樋の中に溜まってしまいます。
こうなるとパテ補修をして塗装することも、シーラーで固めて塗装することも不可能です。
パミールのメーカー保証は?
この事象が判明した当初は、メーカー保証でアスファルトシングル被せ葺きをしていましたが、現在は発売されてから既に10年を経過しているので、保証は難しいと思います。
保証や原因などについては、あくまで弊社の見解であり、何らかの根拠をお約束するものではありませんのでご了承ください。
弊社としては、ニチハのパミールは塗装できない屋根材であるという見解です。パミールのメンテナンスは塗装ではなく、カバー工法か葺き替えが適しているでしょう。
同じような屋根材として、松下電工のレサスがあります。レサスの詳細はこちらで解説しています。
ニチハのパミール、松下電工のレサスなど、不具合がある屋根材を造ってしまうメーカーにも問題がありますが、塗装できない屋根を知らずに塗装してしまう業者が存在するのも問題です。
もしも1社しか見積もりを取らなかった場合、ご自宅の屋根がパミールなのに気付かずに塗装されてしまうかもしれません。
そのため、屋根に詳しい塗装業者にも状況を確認してもらい、相見積もりすることをお勧めします。
もちろん、大同防水にご依頼いただければ、パミールやレサスでも正しい補修方法で施工することができます。