代表:品川真一
「頼んでもいないのに訪問販売業者に塗装工事を勧められた…」という経験はありませんか?一度訪問販売業者が訪ねてくると、不思議なことに他の訪問販売業者も来ます。
ご自身で「本当に塗装工事が必要な時期か?」を判断できれば、訪問販売が来ても慌てて塗装することが無くなると思います。
このページでは、劣化具合から判断する塗装の時期について説明いたします。
塗装に最適な時期と書くと、時期は春・夏・秋・冬などの季節か?それとも新築から10年後などの年数かがわかりにくいため、当サイトでは以下のように定義します。
・季節=春・夏・秋・冬などの季節に関すること
・時期=新築や前回の塗装からの年数、または劣化具合に関すること
適切な季節については「外壁・屋根塗装を行う上で最適な塗装季節はいつ?」で説明しています。
塗り替え時期の目安はおおむね10年
「外壁や屋根は、いつごろ塗り替えればいいのでしょう?」このような質問をよくいただきます。
結論から言うと、10年を目安に塗り替えれば良いと思っておけば間違いはありません。
しかし、皆さんが10年ごとに塗り替えているかといえば、そうでもありません。10年過ぎている方も安心してください。10年はあくまで目安です。
「10年経ったら今すぐ塗装をしないとダメになる」というよりも、「そろそろ塗装を考えた方がいいですよ。」というのが正しいです。ちなみに大同防水のお客様の平均塗り替えサイクルを割り出してみると14年でした。
年数から塗装の時期を判断する方法は間違いではありませんが、劣化状況から判断することをオススメします。
まず以下の4つの劣化状態が見られるなら、そろそろ塗り替え時期と思ってください。
塗り替えを検討するべき外壁の劣化症状
チョーキング現象
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まずは、お宅の外壁を手のひらでこすってみてください。写真のようにチョークを持ったときのように、指先が白くなりませんか?この現象をチョーキング現象と言います。
これは、塗料の主成分である酸化チタンが紫外線を浴びることによって暴れ始め、塗料同士の結合を破壊したために起きるラジカル現象です。
【ポイント】
チョーキング現象が出ているから今すぐ塗装が必要というわけではありません。そろそろ塗り替え時期を迎えていると考えてください。
ひび割れ・クラック
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外壁にひび割れがあると雨がかかったときに、細い管状の中に入っている液体が管の中を上昇もしくは下降する現象が起きてしまいます。これを毛細管現象と言います。
例えば、樹木が根から水分を吸収して枝の先まで水分を送ることも、この毛細管現象を利用しているのです。
ひび割れの幅が細ければ細いほど雨水を吸い込みやすくなり、外壁内部に雨水が入り込んでしまうので注意が必要です。
【ポイント】
木造モルタルの場合、ひび割れの裏側には防水シートがあるので、防水シートが破れていない限り、すぐに漏水することはありません。ひび割れから何か白い汁や茶色い汁が出ていたら要注意です。
カビ・藻の繁殖
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左上の写真のように、黒い点々の汚れが広範囲に付着している場合はカビです。汚れなら中性洗剤で取れますが、カビは取れません。
また、左下の写真のように緑茶っぽく汚れているのは藻です。これらは微生物汚染といい、身近に存在していると人体に悪影響を及ぼしますので、塗り替え時期と思ってください。
【ポイント】
このようにカビや藻が繁殖する条件は、以下の場合が多いです。1.日当たりが良くなく湿気が多い立地にあること
2.壁内で結露が生じて断熱材が常に濡れた状態にあること「2」の壁内の結露が原因の場合は、外壁を塗り替えてもまたすぐにカビや藻が発生します。そのため、結露の原因を特定して補修しなければなりません。
プロのサーモグラファーに赤外線サーモグラフィーで壁内の状態を診断してもらい、根本的な原因を調査することをオススメします。
塗膜の膨れ・剥がれ
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塗膜が膨れているということは、裏側に水分や湿気があるということです。どこからか雨水が浸入している可能性が高いので、塗り替えしてもまた同じように膨れてくる可能性があります。
ただ塗装するのではなく、防水も併せてチェックしないといけません。
左の写真の建物でいえば、上部のバルコニーの手すり足元付近から雨水が浸入していると思われます。塗装だけではなく、併せてバルコニーの防水工事をやりかえる必要があります。
【ポイント】
塗膜が膨れるのは通気性がない塗膜だからです。このような現象がみられる建物には、通気性が高い塗料で塗り替えないといけません。ゴムのように柔らかい塗料は通気性が乏しいので要注意。
屋根の塗り替え時期について
屋根の劣化状況を診断するのは、屋根から落ちる可能性があるので危険です。絶対にご自身でやらないで、私たちのようなプロにお任せください。
屋根は外壁と比べて、紫外線や熱・雨・風・の影響を受ける過酷な条件下にさらされており、外壁の1.6倍速く傷んでしまいます。そのため、外壁が塗替えの時期だとすると、屋根も既に塗替えの時期を迎えているということです。
屋根の状態を把握するのは難しいかと思いますので、気になることがございましたらお気軽に弊社までご相談ください。