現在、外壁塗装で一般的によく使われている塗料として、シリコン塗料とフッ素塗料が挙げられます。
インターネットで検索すると様々な情報や商品が出てくるため、結局どちらのほうが良いのか悩まれる方もいるでしょう。
ここでは、塗料を選ぶときの注意点をご説明いたします。
シリコンとフッ素どっちがいい?
ほとんどのお客様が、ネットで調べてシリコンがいいのかフッ素がいいのかで悩まれているのではないかと思います。
結論から言うと、塗料を選ぶときはご自身で判断するのではなく、建物構造に詳しい一級建築施工管理技士のいる塗装店に相談するのが一番です。
このような耐候性比較表を見たことはないでしょうか?
ご覧のように、塗料の耐久性が高くなればなるほどコストも高くなるのですが、これだけで「うちにはフッ素は無理だなぁ…シリコンでよさそうだな」なんて思われていないでしょうか?
もしそうなら非常に危険です。お客様は塗り替え工事に失敗する可能性が高いです。
建物の構造・機能性に適した塗料を選ぶことが重要
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そもそも、何のために塗り替えするのか?を整理してみましょう。
業者に勧められたから、ご近所さんたちがやってるからうちもそろそろ、汚れてきたから綺麗にしたい、など理由はそれぞれあるでしょう。
しかし、これらの理由はすべて間違っています。
何のために塗り替えるのか?それは家を長持ちさせるためです。
家は新築時にいろんな機能性を考慮して建てられています。
例えば、“瓦屋根の家”と“スレート屋根の家”が存在するのは、柱の本数が違うからです。
瓦のように重い屋根を支えるためには柱を多く、あるいは太くする必要があります。スレートの屋根である理由は、屋根を軽くする必要がある構造体だからです。
また、外壁が“サイディングボードの家”と“モルタル+吹き付け仕上げの家”とでは、外壁に持たせる通気性能と通気方法が異なります。
サイディングの場合はサイディングボードの裏側に15~16mmの空間(通気層)がありますが、モルタルの場合は仕上げの塗料に通気性能を持たせてあります。
このように屋根材・外壁材によって機能性は異なるため、それぞれに相性の良い塗料を見極めることが重要となります。
決して、お客様ご自身で「うちはシリコンでいい」とか「フッ素にしよう」と決めてはいけないのです。あるいは業者に間違った診断をされてもいけません。
間違った塗料を選んでしまうと…
例えば、通気性を持たせる必要がある外壁に空気の通らない塗料を塗ると、壁の中の断熱材が湿気て煎餅布団のようになってしまいます。
こうなると断熱材としての役割を果たせなくなるので、冬は寒い・夏は暑い家に変わってしまうことになります。
家を長持ちさせるために塗り替えメンテナンスをするのに、塗り替えたら家の性能が悪くなってしまうなんて本末転倒ですよね。
どんな塗料が適しているのかを知るには、建物構造に詳しい一級建築施工管理技士のいる塗装店に相談されることをお勧めします。