すべての訪問販売業者が、ということではありませんが、中には悪質な業者も居ますので、契約を急がれないようご注意ください。
もしも今、訪問販売業者から契約を迫られているという方がいらっしゃれば、是非ご一読ください。
目 次
訪問販売業者に外壁塗装を勧められていますが、本当に塗装しないといけないの?
「突然、訪問販売業者がやってきて外壁塗装を勧められた…」このような話はよくあります。結論から言うと、今すぐ塗装をしなければいけないということはありません。ただし、訪問販売業者が来るあたりで、塗装を考えるきっかけにされるとよいと思います。
まず、訪問販売業者が訪ねて来ることで言えることは、
・近所に塗り替え中の現場がある
・団地が塗り替え適齢期を迎えている
・本当に塗り替え時である ※ただし少し早めの段階で勧めてくる
ということです。また、あなたのお家は次のどれかに当てはまるはずです。
・外壁が色あせて見える
・外壁の一部が著しく汚れている
・目地シーリング(コーキング)が切れている・ひび割れている
・付帯部(樋・胴差・化粧モールなど)が色あせている
・屋根にコケが生えている
・屋根が色あせている
訪問販売業者は、あなたのお家をこのどれかで判断して、営業をかけてきています。
訪問販売業者の言うことを鵜呑みにしてはダメ
訪問販売業者に何を言われても鵜呑みにしてはダメです。なぜなら、急いで塗装をする必要がないのに、訪問販売は契約を取りたいがために不安を煽って、脅しトークで契約を急がせることが多いからです。
例えば、
・シーリングが切れているので早くしないと大変なことになりますよ
・このまま放置すると雨漏りしますよ
・このまま放置すると塗装できなくなり、高額な張り替えになりますよ
・基礎がひび割れてますね…補修しないと家が傾きますよ
これらは不安を煽る脅しトークです。こんなことを聞かされると不安になってしまい、ついつい見積もりを頼み、契約してしまうかもしれません。
国民生活センターには、訪問販売によるトラブル相談が毎年5~6千件寄せられています。国民生活センターが公表している訪問販売のトラブル相談数はコチラ
雨漏りに関する不安を煽られた場合
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雨漏りに関する不安を煽られた場合、本当かどうかは赤外線カメラで撮影すればわかります。この写真は特殊な赤外線カメラで撮影したものです。
このお客様が訪問販売に何か言われたわけではないのですが、赤外線カメラがどういうものかを説明するために公開します。
白枠1の付近が白っぽい色になっていて、周りよりも温度が高いことを示しています。白枠1は縦目地シーリング(赤色部分)が切れていることにより、外壁材の裏側に空気が入って温まっているから温度が高くなっているのです。
白枠2は青色っぽい色になっていて、周りよりも温度が低いことを示しています。白枠2は、横目地シーリング(青色部分)が切れていることにより、雨水が壁内部に浸入しているから温度が低くなっています。
このことから私は、お客様に白枠2の部屋の雨漏りの可能性を伝えると、実際に雨漏りしていたそうで「家の状況などを何も伝えていなかったのに雨漏り個所がわかるなんて…」とビックリしていました。
このように、赤外線サーモグラフィーを活用すれば、正しい診断ができるわけです。でも99%の業者が活用していません。
もしも1社から言われた脅しトークを鵜呑みにしていたら、問題がない部分も工事することになったり、あるいは問題がある部分を見逃したりする可能性があります。
そのため、1社で直ぐに契約するのではなく、複数社から相見積もりを取るべきなのです。
不安を煽る以外にもある!その気にさせるセールストーク
訪問販売業者は不安を煽る以外にも、安くなるなどとお得感を出し、その気にさせるセールストークがあります。例えば、以下のようなトークがよく使われます。
・近所に現場があるから足場代はタダにします
・自社が開発した塗料で30年は持ちます
・モニターになってくれたら値引きします
・のぼりを立てさせてくれたら値引きします
このようなトークを言われた場合は、すぐには契約しないようにしましょう。
最初の見積もりが300万で提示され、値引きされて200万に、最終的には150万になったという話もよくあります。冷静になって考えてみれば怪しいとわかることなのです。
しかし、彼らは契約を取るプロですから、急かされたり話がだんだん進んでいくと、お客様も断りにくくなったり面倒くさくなって、つい契約してしまう心理状態に陥ります。
さらに、断ると逆切れしてくるケースもあります。日本人の特性かもしれませんが、相手を怒らせてしまったら申し訳ない、断るのは悪いからやっぱりお願いしよう・・・という心理になることを読んで、最終手段でキレたふりをしているのです。この手には乗らないようにしましょう。
特に一人暮らしの親御さんと離れて暮らしているご家族の方は、ひとりで契約せず必ず家族に相談するよう念を押しておきましょう。
「今なら足場代をタダにします!」のカラクリ
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訪問販売から「近くに現場があるので足場代をタダにします!」とか「足場代を半額にします!」なんて言われたことはないでしょうか?
通常、足場代は平均20万円~30万円くらいかかります。この費用が0円になればすごく得した気分になりますよね。
ただし、うまい話には必ず罠があります。「足場代タダ!」は実際には安くなっていないことがほとんどです。
見積書には足場代が0円となっていても、他の項目に安くした足場代分が載せられています。例えば、上塗りの単価が+200円になっていたりします。単価が少し高くなっていても気づけません。
当たり前ですが足場を建てる鳶(とび)職人にも費用が発生します
一般的な2階建て木造住宅の外壁塗装を行うために足場を組むとして、鳶職人は最低でも組立て時に2人、解体時に2人の4人工は必要です。しかし実際は2人x2ではキツいので、3人x2以上の人工がかかります。
※人工とは1日仕事をしたときにかかる人件費。1人工は1人が1日作業したときの人件費
足場資材は自社で所有していれば極論材料費はタダのようなものですが、持っていなければその都度足場資材リース会社から借りなければなりませんのでリース代が必要です。
鳶の日当を20,000円/1日と仮定すると、20,000円x2人x2回(組払い)=80,000円となります。これは運搬費や足場材料代、利益が含まれていません。あくまでも鳶に支払う費用だけです。
近くに現場があれば足場代が安くなるという嘘
近くに現場があれば足場代が本当に安くなるのでしょうか。あるいは、今近くの現場で組んでいる足場を解体し、そのままの流れで足場を組んだら半額になるのでしょうか?これもありえません。
検証してみます。足場費用の内訳は一般的に下記のA~Dの合計で構成されています。
A.仮設足場組払い:○○㎡x○○円
B.養生シート:○○㎡x○○円
c.昇降用階段:○mx○○円
D.運搬費:○○mx○○円
ここで「近くに現場があるから足場代を安くします!」というセールストークに当てはまるのは、上記のDの項目です。その他のAからcはどこに現場があろうと変わらないものです。
「近くの現場」を最も近いお隣さんの家とすると、Dの運搬費は確かにタダ(無料)でも良いかもしれません。では、仮にこれを広島から下関と離れている現場とするとどうでしょうか。
広島ICから下関ICまでの距離が199km、高速道路通行料金が約6,000円です。続いて、ガソリン代はというと・・・
軽油が1リッターあたり約85円です。軽油で走るトラックの燃費を5km/Lと仮定すると、片道199÷5=39.8L軽油が必要ですから、85円x39.8L=3,383円。高速通行料金6,000円+3,383円=9,383円。
仮に現場が広島と下関程離れていたとしても、運搬費の原価はたったの9,400円しか変わらない計算になります。
*その他の自動車維持にかかる車検代や保険代、タイヤなど損料などは省きます
以上のことから、現場が遠かろうが近かろうが、距離に関わるコスト部分は1割にも満たない。さほど影響はないということになります。これで「近くに現場があるから今なら足場代をタダにします」のセールストークはウソであるということがわかりました。
訪問販売が来たら即決するのではなく、落ち着いて複数見積りを取る
訪問販売が嘘をついて契約を急がせることについて説明しましたが、それでも「もし本当に今すぐ塗り替えしなきゃダメだとしたら…」と不安になる方もいると思います。
そのような場合は、複数業者から意見を聞くというのが一番良い方法です。つまり相見積(あいみつもり)を取るということです。2~3社程の複数社から見積もりを取ることを相見積もりと言います。
相見積もりを取る目的は、今すぐ塗り替えをすることではなく、本当に今塗り替えが必要なのかどうかを知るためです。見積もりを取ったからと言って、必ずしもどこかと契約しなければならないというような規定はありません。
ご心配なら、電話先で「すぐやらないかもしれませんが、それでも見積もりしてもらえますか?」と伝えて、承諾してもらえる業者だけ来てもらえばいいと思います。
3社から見積りを取り、3社すべてに「今すぐ塗装しないと大変なことになります!」と言われた場合は、本当に劣化が進んでいる可能性が高いです。
もし、私ども大同防水に調査依頼をしていただければ、どこよりもしっかりとした調査で、適正な塗装の時期お伝えいたします。
外壁塗装の相見積もりで比較すべきポイント
■価格バランス
・・・単に価格ではなく工事内容とのバランスが大事
■適正時期なのかどうか
・・・今本当にメンテナンスが必要な部分はどこかを知る
■正確な診断がされているかどうか
・・・A社が指摘した部分をB社・C社は指摘しなかったなど