「業者が積算した面積が正しいのかチェックしたい…」このような相談があります。
そのためこのページは、建築図面がない場合に屋根面積を出す方法を説明します。
あくまでも図面を使わないで概算で出す方法です。ご利用になられる方は自己責任でお願いします。面積が違うなどの苦情は一切受け付けません。
屋根面積の出し方
屋根面積の出し方は、基本的には建築図面から計算します。しかし、建築図面ない方もいらっしゃるので、図面を使わずに屋根面積を出す方法を説明します。
まず計算式は以下の通りです。
屋根の面積=【A】屋根の投影面積×【B】勾配比率(係数)×【C】屋根材の比率(係数)
【A】~【C】それぞれを説明していきます。
【A】屋根の投影面積
投影面積とは、図形を水平面に投影した時、つまり上から見たときの面積です。
図のように、縦①×横②が屋根の投影面積となります。
例えば
①が7m
②が9m
の場合は、7×9=63m2が屋根の投影面積です。
次に、ここで得た投影面積に勾配の比率(係数)を掛けます。
【B】勾配の比率(係数)
勾配の比率は計算で出すものではなく、あらかじめ決められた数字を使います。
勾配 | 比率(係数) | 角度(およそ) |
---|---|---|
1寸勾配 | 1.01倍 | 5.9度 |
2寸勾配 | 1.02倍 | 11.3度 |
3寸勾配 | 1.05倍 | 16.7度 |
4寸勾配 | 1.08倍 | 21.8度 |
5寸勾配 | 1.12倍 | 26.6度 |
6寸勾配 | 1.18倍 | 31.0度 |
7寸勾配 | 1.23倍 | 35.0度 |
8寸勾配 | 1.29倍 | 38.7度 |
9寸勾配 | 1.35倍 | 42.0度 |
例えば、4寸勾配の場合は比率1.08なので、Aで求めた投影面積63×1.08=68.04m2となります。
最後に、68.04m2にCの屋根材の形状比率(係数)を掛けます。
※6寸勾配以上は屋根足場が必要になります。
【C】屋根材の形状の比率(係数)
屋根材はまっすぐ平たい形状のものばかりではありません。屋根材を断面でみると、波型になっていたり、ギザギザの形状だったりするので、平面の長さに比率をかける必要があります。
屋根材 | 比率(係数) |
---|---|
和形瓦 | 1.08倍 |
ブルック | 1.11倍 |
モニエル瓦 | 1.16倍 |
スパニッシュ・S形瓦 | 1.30倍 |
大波スレート屋根 | 1.14倍 |
小波スレート | 1.15倍 |
折り曲げ鋼板(折半屋根) | 1.72倍 |
瓦棒(はぜ50x50) | 1.24倍 |
瓦棒(はぜ30x10) | 1.15倍 |
本葺き | 1.40倍 |
屋根が瓦棒(はぜ30x10)だった場合、②で求めた数字が68.04に屋根材の比率1.15を掛けます。
ここまでを全てまとめると以下の式になります。
A屋根の投影面積63×B勾配比率(係数)1.08×C屋根材の比率(係数)1.15=78.246m2
計算式から、78.246m2が屋根の概算面積と想定できます。
まとめ
屋根の面積は、図面がなくても概算で求めることができます。
計算式は、屋根の面積=「【A】屋根の投影面積×【B】勾配比率(係数)×【C】屋根材の比率(係数)」です。
正確な数量が必要な場合は、この計算方法は使わないでください。あくまでも概算です。10m2内外の誤差なら問題がない塗装工事などで、スピーディーに屋根面積を求めたい場合は有効です。
*弊社社内で共有するためのコンテンツです。ご利用になられる方は自己責任でお願いします。面積が違うなどの苦情は一切受け付けません。