代表:品川真一
"さんとうばん"とは、サイディング一枚の寸法が910mmx3030mm(3尺x10尺)の大判サイディングです。
1階から2階にかけて、さんとうばんを張り繋いでいる場合で、ジョリパッドなどコテ塗りで仕上げている建物は注意が必要です。
このページでは、さんとうばんの塗り替え時の注意点などを説明していきます。
"さんとうばん"とは
“さんとうばん”とは、サイディング一枚の寸法が910mmx3030mm(3尺x10尺)の大判サイディングのことです。
「三十板」「3×10板」と書かれることもあります。一般的なサイディングの寸法は455mmx3030mmなので、普通のサイディングより一枚のサイズが大きいものです。
さんとうばんを外壁に使うときは注意が必要です。
なぜなら、縦張りにして横目地ができないようにするなら大丈夫ですが、1階から2階まで壁が連続しているような部分にさんとうばんを使うと、3030mmピッチ(間隔)で横目地ができてしまい、雨漏りしやすくなるからです。
瓦屋根の純和風建築の建物の外壁にさんとうばんを使う場合は、アクリルリシンを吹き付けて仕上げる工法だと横目地ができないので、シーリング劣化による雨漏りのリスクも少なくなります。
さんとうばんのメリット
さんとうばんのメリットは、湿式工法よりも工期が短縮できること、板自体にひび割れが発生するリスクが低いことです。
湿式工法とは、ラス網を張って左官職人がモルタルを2度塗りし、アクリルリシンを吹き付ける工法です。
さんとうばんのデメリット
さんとうばんを用いる場合、工場でフラットに成形された板を外壁に張るので、下地は精度が高くまっすぐでなければなりません。
なぜなら、さんとうばん同士のつなぎ目はパッキンが入っているので、まっすぐな下地であればパッキンは正常に押しつぶされて効きますが、下地がまっすぐでないとつなぎ目に隙間ができてしまい、雨水が浸入するからです。
また、さんとうばん自体が熱や乾燥などの温度変化によって収縮し、わずかに反りかえって隙間が生じる可能性もあります。
このように、つなぎ目に隙間が生じてしまうのがさんとうばんのデメリットです。
さんとうばんの塗り替えはどうする?
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さんとうばんの塗り替えには、注意が必要です。
特に、1階から2階にかけてさんとうばんを張り繋いでおり、ジョリパッドなどコテ塗りで仕上げている場合は厄介です。
なぜなら、下地のさんとうばんは熱収縮を繰り返すので、つなぎ目部分の塗膜が割れてしまうからです。
こうなると、メッシュ補強しても、またつなぎ目部分から塗膜が浮いてきますので、サイディングを張り替える方が良いと思います。
反対に、純和風建築の家で1階から2階へさんとうばんを張り繋いでいない場合は、通常通り塗り替えることができます。ただし、縦目地(つなぎ目)にもシーリングを施工する必要があります。