築15年以上経過している人あるいは、前回の塗り替えから15年以上経過している人は、10年ごとに塗り替える人とは違った考え方で塗装工事を計画すべきです。
なぜなら、15年目で初めて塗り替えをする方は、おそらく次もまた15年間は塗り替えることはないと思うのです。それがあなたの塗り替えサイクルなのです。
このページでは、塗料の種類や耐用年数、塗料を選ぶときのポイントなどを説明いたします。
目 次
あなたの塗り替えサイクルで
冒頭でお話した通り、塗料選びで重要なのは塗り替えサイクルを意識することです。
あなたが10年ごとに塗り替える人ならば、塗料は10年持てば良いわけです。15年、20年持つ塗料は不要ですよね。
でも、15年サイクルで塗り替える人は15年以上の耐候性を持つ塗料で塗り替えなければライフサイクルに合わなことになります。
一般的には10年を目安に塗り替えた方がよいと言われていますが、10年をとっくに過ぎてしまっているからと慌てて塗り替えるよりも、自分に合った塗替えサイクルで最適な塗料で塗り替えることが大切です。
慌てて予算がないからとりあえずシリコンで良いや!・・・なんていう決め方が一番良くありません。
耐久性(耐候性)とコストの比較表
結局うちの外壁には何を塗ったらいいのか?これがみなさんが抱える悩みだと思いますが、ズバリ、お客様が何年ごとに塗り替えをするつもりなのかでお考えになられたらよいです。
まずは塗料の耐久性(耐候性)とコストの比較をみてみましょう。
塗料メーカーや他店の見識と異なると思いますが、この表は大同防水の経験によるもの、品川の主観で一般に発表されているデータより低く見積もっています。
メーカーが発表している耐用年数は、工場内での条件の良い環境で取ったデータですし、他店はカタログに載っているデータをそのまま掲載しているところが多いです。
10年ごとに塗り替えるなら・・・
このように、塗り替え時に何を塗るかによって次の塗り替え時期をいつに設定するかを決めることができます。
例えば、10年ごとにきっちり塗り替えをしていくというお客様ならシリコンクラスで十分と言えます。
もちろんブランド志向や付加価値の高い塗装がお好みであれば、ハイクラスの塗料をお選びください。
15~20年経過して初めて塗り替えるなら・・・
15年~20年経過して初めて塗り替えるという方は、次の塗り替えをいつにするのかを考えられると良いと思います。
失礼ながら15~20年間お手入れをしなかった方が、次は10年後にお手入れをするとは思えません。やはり15~20年は塗り替えらないのではないかと思うのです。
そうすると15~20年持つ塗料を採用しないとお客様のメンテナンス計画に合わないですよね。業者の提案してきた塗料をそのまま採用するのではなく、お客様ご自身のメンテナンス計画で選ばれることをお勧めします。
節電・省エネ塗装するなら・・・
大同防水では遮熱塗料・断熱塗料・消熱塗料・熱交換塗料を扱っております。主に屋根には断熱・消熱塗料をお勧めしています。
ただ塗り替えて色変えを楽しむだけでなく、塗るだけで省エネになる節電塗装をするなら機能性塗料がいいでしょう。
これらの塗料は、塗料自体が熱に対抗できる力を備えており、耐久性(耐候性)も10~15年と長持ちします。
築年数が15年以上の住宅は断熱ガイナがおすすめ
築年数が15年以上経過した住宅にお勧めの塗料は、ズバリ断熱ガイナです。
住宅が劣化する原因である湿気は、室内の湿気が壁の中を透過することによって壁内にまで流入します。
そこで壁内に湿気が溜まらないようにするために、モルタル外壁には通気性の高いアクリルリシンが吹きつけてあったり、サイディングの場合は通気層の間を通って外部に排出されるようにできているのです。
しかし、壁内の断熱材は経年により吸湿し、年々断熱性能が低下していきます。一度吸湿した断熱材はなかなか乾かないばかりか、カビの温床になったり外壁にコケや藻を繁殖させる要因となります。
この問題を解決するには断熱材を交換することになりますが、壁を剥がさないといけないので大がかりな工事になってしまいます。
そのような時に浮上してくるのが、通気性の高い断熱ガイナです。外壁に塗るだけで10㎜厚の断熱材を貼ったのと同じ効果を復元できるだけでなく、外側に断熱層を設けることで湿気による壁内への影響を抑えられるメリットがあります。
二回目の塗替えを計画されているお客様のお宅に現地調査に伺うと、どうしてこの塗料で塗り替えたのかな?と疑問に思うことが多々あります。お客様の住まいの構造に適してない塗料が塗られていることが多いのです。
それだけ世の中の塗装業者は建物の構造を知らないと言えますし、お客様の住まいの事を大切に想っていないということが分かるのです。
お勧めの塗料グレードは?
結局、フッ素、水性無機、光触媒、どれがおすすめなの?ということですが、答えは「どれもお勧めです。あるいはお勧めはありません。」と言います。
なぜなら、何を重要視するかによって使用する塗料が変わるからです。
例えば、艶消しと艶ありはどちらが良いですか?明る目の色と暗めの色どちらがお好きですか?通気性を重視しますか?汚れの付きにくさを重視しますか?ひび割れが気になりますか?省エネ塗料が良いですか?という具合です。
すべてを持ち合わせている万能の塗料はありません。塗料を選ぶポイントは、まず自分の塗り替えサイクルで考え、何を重視するのかを明確にすることです。
それから相見積りを取って比較検討するのがベストでしょう。何の塗料が適しているのかわからないまま複数社から相見積りを取っても混乱するだけです。
もちろん大同防水では詳しくヒヤリングしますのでお任せ下さい。
30年間のライフサイクルコストで考えよう
日本の住宅の平均寿命サイクルはなんと26年・・・諸外国と比べてみても断トツで短いことがわかります。
これには、戦後の建設需要に建築資材の供給が間に合わず、廃材を集めて建てた住宅が多かったこと、また国内では中古住宅市場が活性化していないことが理由となっています。
現在は、国を挙げて中古住宅市場を活性化させる動きが見れらており、これからは壊して建て替えるのではなく、メンテナンスを繰り返しながら長く建物を維持していく時代になっていくことは間違いありません。
そのためにも10年ごとに塗り替える外壁塗装工事の役割は重要になってきます。
そこで重要なのがメンテナンスコストです。外壁塗装工事にはもちろん足場が必要ですから、塗り替えするごとに足場費用がかかります。
外壁塗装コストを分解してみますと、
足場代A+材料費B+塗装手間代C+諸経費D
で構成されています。
ここで大きくライフサイクルコストにかかわってくるのが足場代です。実はシリコンも水性無機ハイブリッドも光触媒も手間代はほとんど変わりません。
塗り替え時に単体の工事代金で考えるより、向こう30年のライフサイクルコストで考えた方が得になるということを覚えておきましょう。
ローコスト住宅は10年サイクルの塗り替えを
ローコスト住宅とは、資材や設備を大量購入したり、設計・施工のシステムを合理化したり、プランやデザインを限定した「規格型」住宅にするなど、家づくりのさまざまな工程でコストダウンを図って、比較的安い価格で建てられた住宅のことをいいます。
例えばトイレの便器には工務店仕様というものがあります。カタログに載っている標準仕様の便器ではなく、コストを抑えるために不要な機能を排除したモデルが用意されています。
このように、トイレの便器だけでなく、屋根材や外壁材、住設機器などにおいても、コストダウンが図られた資材で作られているため、劣化速度が速いのです。特に外壁においてはてき面差が出ます。
はっきり言うと、ローコスト住宅の外壁は10年が限界ですので10年目で塗り替えた方が良いです。ハウスメーカー住宅や一般住宅と比較しても外壁の劣化状態が良くないのがローコスト住宅の特徴です。
例えばエコキュートが錆び錆びになったりもします。
もしもお客様のお家がこうしたローコスト住宅に当てはまるなら、初回だけ10年目での塗り替えを計画されることをお勧めします。
15年、20年放置すると、サイディングを張り替えなければならなくなる恐れがあるのでご注意ください。