窯業系サイディングは吸水が激しい素材なので平面に使うとコーナー部分が劣化してボロボロになります。
このページではベランダスリット部のサイディングの劣化対策をご紹介しています
サイディングの出隅が剥がれる原因
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サイディングは端部が弱点です。端部のことを専門用語で「出隅(ですみ)」と言い、コーナー部材のことを同質出隅(どうしつですみ)と言います。*以下出隅という
コーナー部の出隅はサイディングを切り合わせて繋げているので、ジョイント部分から雨水が染み込んで表面からポロポロ剥がれていきます。
画像のようなベランダ手摺壁のスリット部(開口部)も、壁を四角くくり抜いてサイディングを巻き込むように張ってあるので、出隅コーナーがたくさんできてしまいます。
特にベランダ出入口の下部に設けられる面台という部分は、外側に向かって突出しているため、サイディング自体が雨を受け止めることになり、弱点である出隅コーナー部分の劣化が早くなる傾向にあります。
サイディングは、地面と外壁として垂直面に使用するのには良いのですが、水平面や斜め壁など雨を受けるような部位に使用するのはタブーです。
もし、あなたの家のこうした部分にもサイディングが張ってあるなら、ガルバリウム鋼板など、窯業系サイディングではない部材でカバーする必要があります。
出隅コーナー部の剥がれの補修手順
出隅コーナー部のサイディングに剥がれ、欠けが発生している時の補修手順をご説明いたします。今回の現場では、ガルバリウム鋼板を被せる方法を用いりました。
1.シーリング施工・塗装
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一度コーナー出隅部が剥がれてくると、どんどん剥がれてしまうので、まずは応急処理でコーナー部分にシーリングを施工します。
シーリングが乾燥硬化した後は、塗装を行います。
この物件は日本ペイントのUVプロテクトクリアーSiで塗り替えたので、クリアー塗装をします。
2.ガルバリウム鋼板を被せる
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クリアー塗装が乾燥したら、ガルバリウム鋼板を被せます。ガルバリウム鋼板は錆びにくいので、15年以上持ちます。
板金でカバーすることで、剥がれや雨漏りなどの問題を恒久的に解決することが出来ますし、見た目もきれいです。
最後にサイディング取り合いをシーリングして完了です。
ちなみに、このような金属でカバーされた部分を笠木(かさぎ)と言います。ベランダの手すり壁の天端(てんば)や、屋上のパラペット部などにも笠木が被せてあります。
シーリングを施工してからクリアー塗装しただけでは、またサイディングの接合ジョイント部から割れて雨水が浸入し、剥がれてくるのでおすすめしません。