クリヤー塗料とは、名前の通り、色の付いていない透明な塗料のことを言います。既存のデザインや模様を残して、外壁を綺麗にしたいという場合に適した塗料です。
このページでは、クリヤー塗料の耐久性や艶の見え方などについてご説明いたします。
目 次
「クリアー塗料は色つき塗料と比べて長持ちしない」は間違い!
「クリアー塗料は一般的な色が付いた塗料より長持ちしないと言われたのですが、本当でしょうか?」と質問されることがよくあります。信じられません・・・(笑)
塗料が劣化しているかは、壁を手で触ってみて塗料が手に付くかどうかで判断することができます。いわゆるチョーキング検査ですね。
このチョーキング現象のメカニズムを知っている詳しい者なら、クリアー塗料は普通の塗料に比べて長持ちしないなんて言うはずがないのですが・・・。
チョーキングとは?
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そもそもチョーキング現象とは、塗料の中に含まれる顔料が劣化することにより起こります。
クリアー塗料というのは無色透明、つまり顔料が入っていない塗料なわけですから、チョーキングしません。
つまりチョーキングした状態を塗料の限界と規定する場合、一般のシリコンなどの色が付いた塗料を塗るより、クリアーを塗った方が長持ちするということです。
10年経った自動車のボディを触ると塗料が手に付きますか?付きませんよね。それは色つき塗装の上からクリアー塗装でコーティングしているからです。
では、なぜクリアー塗装は長持ちしないなんてデタラメなことを言う業者がいるのでしょうか。
クリア―は長持ちしないと言う理由
まず1つ目の理由は「クリアー塗装は手間がかかるからやりたくない」と思っている業者がいるという点です。
クリアー塗料で塗り替える場合と、一般のシリコンなどの色が付いた塗料で塗り替える場合とでは、作業工程が違います。
仮に外壁を黒で塗り替え、樋などの付帯部を白で塗り替えるとします。万が一、樋用の白いペンキが外壁に付着してしまったとしても、上から黒を塗るので隠れてしまいますよね。
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しかし、これが無色透明のクリアー塗料だったら汚れが隠れません。つまりクリアー塗装仕様の場合は、外壁を一切汚してはいけないわけです。
さらに洗浄汚れが残っていてもダメです。無色透明ですからゴミも透けて見えてしまいます。
クリアー塗装仕様の場合は、高圧洗浄時も見落としがないようにしっかりチェックしなければなりません。
そして、外壁を一切汚さないようにするためには養生が必要になりますから、色付きの塗料で塗り替えるよりクリアー塗料で塗り替える方が手間がかかるわけです。
次にクリアー塗料は長持ちしないと言う理由として考えられるのは、塗り回数です。おそらく1回しか塗らない職人がそう言うのではないかと推察します。
クリアー塗料はきちんと2回塗りが原則。場合によっては3回塗ると長持ちします。
こうした理由から、クリアー塗装は色つきの塗料より長持ちしないと触れこむ業者(職人)が存在するのです。
営業トークが業者の見分け方になる
職人という職業は、そもそも几帳面な性格でなければ向かない職業です。「あの仕事はしたくない」「この塗料が塗りやすい」などというのは、こだわりではなくただの横着です。
手間暇かけて拵えた自慢の作品であるからこそ、仕事にやりがいやプライドを持てるのです。
一般的に手間がかかる難しい塗装工法として、光触媒・ガイナ・クリアー・2色塗り分け工法などがありますが、これらの工法をなんとなく避けるようなトークをする業者には頼まない方がベターだと思います。
素人のような職人が来るかもしれません。
クリアー塗装の3分艶の見え方
クリアー塗装の仕上がりで気になるのが、艶(つや)ではないかと思います。ピカピカに光るんじゃないかと思われがちですが、艶の度合いによって仕上りは変わってきます。
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こちらの画像は、日本ペイントのUVプロテクトクリアーの3分艶で仕上げ、施工後1週間経ったときのものです。
正面から見るとまったく艶がない状態(艶消し)に見えますが、塗装前と比較すると、若干*濡れ色に仕上がるというイメージです。
*濡れ色とは・・・水に濡れたときに色が濃く見える状態
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次に、斜めから見た状態がこちらです。
わずかにクリアー塗料の艶があることがお分かり頂けると思いますが、ピカピカ光るようなやらしさはないと思います。
程よい艶感に仕上がっているのではないかという印象です。
日当たりと日陰での艶の見え方の違い
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次に、日当たり部分と日陰部分での艶の見え方を見てみましょう。
日が当たっている部分は艶消しに見えますが、奥の日陰の部分は若干濡れ色に見えると思います。
このように、クリアー塗装の3分艶仕上げは正面から見るとほぼ艶消しに見え、日陰で斜めから見たときに若干の艶感がわかる程度となります。
クリアー塗料と艶選びの参考にしていただければ幸いです。