代表:品川真一
軒天には、いくつか種類があります。その中でも、木目調プリント合板の軒天は、塗装できるのか?できないのか?が業者内でも答えが異なります。
木目調プリント合板の軒天は、劣化レベルにもよりますが、大同防水としては塗装できるという見解です。
このページでは、木目調プリント合板の軒天の塗装・補修方法を説明しています。
軒天とは
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軒天(のきてん)とは、屋根の先端および屋根の両端部分が、外壁よりも飛び出している部分のことです。
軒天には、日差しを遮ったり、雨が直接外壁にかからないようにする役割があります。
軒天の材質に様々な種類があり、昨今最も多いのはケイカル板(ケイ酸カルシウム板)と呼ばれるものです。他にはモルタル仕上げ、金属製、木目調のべニアが張られているだけのものがあります。
そして、この中でも最もやっかいなのが木目調の軒天です。
木目調の軒天は塗装できる?
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木目調の軒天は、プリント化粧合板とも言います。
プリント合板とは、張り合わせた合板(みなさんはべニア板と呼んでます)の表面に、木目調の模様を印刷した紙を貼っているものです。
コストが安いという点がメリットですが、紙が剥がれやすい、傷つきやすい、湿気に弱いなどの点がデメリットがあります。
住宅の塗り替えで時折、この木目調の軒天に出くわしますが、正直これが厄介な代物なのです…。何が厄介かというと、木目調の模様を印刷した紙を貼っているだけなので、指で触っただけでポロポロ剥がれてきます。
そのため、このまま塗装してもすぐに剥がれてきます。塗装をする場合は、ボロボロと剥がれてくる紙の部分を全て剥がしてから塗装する必要があります。
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ボロボロ剥がれてきます
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全て剥がします
木目調の軒天の劣化レベルと症状
劣化レベルは、5段階に分けられます。
劣化レベル1:木目調のプリントの表面が白っぽく変色している、
劣化レベル2:木目調がひび割れている
劣化レベル3:木目調が剥がれていたり、めくれている
劣化レベル4:木目調プリント合板自体に穴が空いている
劣化レベル5:垂木・下地が腐っている
改修方法は、症状の度合いによって変わってきます。
通常、劣化レベルが1~2の場合は塗装することができます。劣化レベルが3~5の場合は塗装することはできませんので、なんらかの補修・改修が必要になります。
木目調の軒天の補修方法
木目調の軒天がステージ3~4の場合は、まず下地の補修が必要になります。
補修方法は、べニア板2.5mmを垂木の間隔寸法に合わせて裁断し、接着剤と隠し釘でパズルのピースをはめていくような作業です。一枚一枚行うので、相当手間がかかります。
下の写真の事例は、木目調の軒天を塗装で仕上げるため、一般のべニア板を使っています。もし、木目調のプリント合板で再度仕上げたい場合は、べニア板の代わりにプリント合板を使えば元通りになります。
インターネット上では、木目調のプリント合板の軒天は塗らない方が良いとか、塗っても大丈夫とか賛否両論があります。大同防水としては、しっかりと下地補修をすれば塗装できるという見解です。
外壁塗装時にせっかく足場を組むのですから、一緒に手を加えるべきです。確かに塗っても剥がれる可能性はありますが、だからこそきちんとした下地処理と、どうしたら剥がれにくくなるか?という日常の研究が重要になってくると思います。