パラペットとは、屋上や吹き抜け廊下などの端に設けられている壁のことを指します。
外壁や屋根とは違い、パラペットのメンテナンスについて考える方は少ないかと思いますが、雨漏りを防ぐ為にもどのような補修方法があるのかを知っておくことは大切です。
ここでは、パラペットの補修方法、防水の重要性などをご説明いたします。
パラペットの意味
-
パラペットとは、 建物の屋上や吹き抜け廊下などの端部分に立ち上げられた小壁や手摺壁のことを言います。
「扶壁(ふへき)」や「胸壁(きょうへき)」とも言い、人が転落しないよう手摺の役割があるのと、屋上の防水の端末部の雨仕舞いのために存在する構造体です。
人でいうところの頭のてっぺんになる部位なので、屋上防水と併せて雨水の浸入を防ぐ必要があります。
また、パラペットの補修や防水に関してよく知りたいという方は、「笠木(かさぎ)」と呼ばれる部分についても知っておくといいでしょう。
笠木とは
-
パラペット上部の突き出した部分をアゴと言い、この部分を笠木(かさぎ)と呼びます。
笠木には、右写真のようなモルタル素地のモルタル笠木や、アルミ笠木が被せてある場合などがあります。
モルタル笠木とアルミ笠木を比べた場合では、長期的に見るとアルミ笠木の方が雨漏り対策には優れています。
モルタル笠木は防水が施されていないので、長年放置しておくと雨水浸入が原因でコンクリート中の鉄筋が錆び、発錆による体積膨張の圧力によって写真のようにコンクリートが押し出され、やがて剥落してしまいます。こうなると補修費用もかさんでしまいます。
パラペットの補修の仕方
1.下地処理
-
パラペットの補修を行う際は、まず鉄筋の錆びを落とし、周辺のコンクリート脆弱部を除去します。
錆びやコンクリートの除去が終わったら、当て木で型枠を作ります。
2.ポリマーセメントモルタルを詰める
-
次に、露出した鉄筋にポリマーセメント系錆び止め材を塗布し、錆びの進行を防ぎます。
それからポリマーセメントモルタルを型枠内に隙間のないよう丁寧に詰めていきます。
このとき一度にポリマーセメントモルタルを詰め過ぎると、ひび割れが発生する原因となったり、モルタルの密着強度が低下するので、根気よく数回に分けて詰めていきます。
詰めて固め、また詰める、という具合です。
3.下地調整材の塗布
-
ポリマーセメントモルタルの充填が終わったら型枠を外し、乾燥させます。
十分に乾燥してから最後に表面を下地調整材をコテで塗り、平滑に仕上げれば補修は完了です。
これで防水下地が完成です。
下地をしっかりと乾かしてからウレタンゴム系塗膜防水を施工します。
塗装も防水も下地処理が命
塗装工事も防水工事も下地処理が命です。下地が悪ければ、どんな優れた塗料も防水材もその性能を発揮できません。
もちろん、ここまで傷むほど放置しないことが重要ですが、このような重度の劣化レベルでも大同防水なら元通りに補修できますのでお任せください。