外壁には何を塗ったらいいかな?と考える方はいても、屋根はあまり重要視されていない方がほとんどです。これは間違っています。
屋根塗装こそ、何を塗るかを考えるべきです。屋根は外壁より過酷な条件下に晒されており、外壁の1.5倍早く傷んでいきます。雨や紫外線や熱の影響を直接受けているのが屋根。夏場の屋根の表面温度は約70度にまで達するほどです。
車の塗装も、側面のドア部分より天井部分やボンネットなどが先に傷みますよね?家も同じなのです。
ここでは、屋根に塗るオススメ塗料を遮熱・断熱塗料のお話と一緒に紹介していきます。
屋根が建物に与える熱の影響
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こちらの画像をご覧ください。赤外線画像では温度が高い部分は白に、温度が低い部分は黒(濃紺)に近い色で表示されます。
こちらのお宅はカラーべスト屋根で、屋根は白色を示しており、外壁は赤となっています。このことから、屋根が受けた熱が外壁にも伝わっていると判断できます。
これはすべてのお宅で同じことが言えますが、屋根材の種類によって熱伝導の大きさは変わり、夏場の部屋が暑いというような現象はこのように屋根から来ているのです。
屋根の下には通常「小屋裏」という空間層が設けられており、換気口から空気が入れ替わるような構造になっています。さらに天井裏には断熱材も敷いてありますが、赤外線画像の結果から熱伝導は空気の入れ替えや断熱材では抑止できてないということがわかります。
ではどうすればいいか?そこで遮熱や断熱塗料の登場です。
遮熱塗料は本当に効果が期待できるのか?
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熱を遮る塗料、遮熱塗料。
塗るだけで涼しくなるという触れ込みで、遮熱という言葉も今ではほとんどの方がご存じだと思います。
チラシやホームページなどを見たことがある方も少なくはないと思いますが、実際にデモ機での効果ほど実感できるのでしょうか?
実は、遮熱塗料を塗ったのに効果が感じられないという声が多いのが現状です。
この遮熱塗料、本当のところはどうなのでしょうか?ここからは遮熱塗料について詳しく説明していきます。
遮熱(しゃねつ)塗料とは
太陽光は紫外線、可視光線、赤外線の3つの波長領域に分類できます。私たちが普段見えているのは可視光線です。
そして遮熱塗料とは、太陽光エネルギーの約42%を占める赤外線を反射することによって、熱エネルギーの吸収を抑える塗料のことを言います。
遮熱塗料には2種類ある
遮熱塗料の種類は、実は2種類あるんです。
ひとつは「顔料系の遮熱塗料(高日射反射率塗料)」、もうひとつは「セラミック系の遮熱塗料(熱遮蔽塗料)」です。
遮熱塗料を塗ったのに効果が感じられないというのは、前者の顔料系遮熱塗料(高日射反射率塗料)を塗った方に多くみられています。
顔料系の遮熱塗料は、国内の大手塗料メーカーN社やS社の遮熱塗料を指します。確かに大手塗料メーカーの遮熱塗料は耐候性が高く汚れにくいのですが、遮熱効果はほとんど実感できてないというご相談を多く頂きます。
逆に弊社がご提案するセラミック系の遮熱塗料を塗ったお客様からは、涼しくなったとか全然違うなど喜びの声がほとんどです。
このように遮熱塗料を使用する場合は、セラミック系を選ぶことが重要なポイントとなります。
ちなみに弊社取扱の遮熱塗料はセラミック系のみで、顔料系遮熱塗料は一切お勧めしていません。だって遮熱塗料なのですから、遮熱効果が体感できないと遮熱塗料じゃないでしょ?
遮熱塗料の弱点
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一般的な顔料系の遮熱塗料の弱点は、汚れです。
塗ってしばらくは塗膜表面が綺麗なので遮熱効果が発揮されるのですが、塗膜が汚れてしまうと遮熱効果は発揮できなくなります。
これは空気中に含まれるカーボンが塗膜表面に付着し、カーボンが熱を吸収してしまうといったメカニズムによって起きる現象です。
写真の左側が汚れてしまった遮熱塗料ですが、こうなってしまうと遮熱効果は損なわれてしまいます。
反射と吸収は相反するものですから、遮熱塗料が効果を発揮するためには汚れにくいこと、もしくは汚れても効果が出るメカニズムであることが条件となります。
遮熱と断熱の違い
大同防水が遮熱塗料を自信を持ってお勧めできる条件として最も良いのは、断熱材が入っている屋上防水層の表面に塗装する場合です。下のイメージ画像をご覧ください。
真ん中のイメージのように、断熱材が入っている防水層では建物に伝わる熱は減りますが、屋根材や防水材の劣化が速くなるのです。
防水層においては約1.5倍劣化スピードが速くなってしまうので、建物のメンテナンスにかかるコストを考慮すれば、断熱材が入っていることで省エネになるとは言えないですね。
このような熱による断熱材の上の資材の劣化を抑制ためには、屋根材や防水材の上に遮熱塗料を塗る方法が効果的です。
屋上防水に遮熱塗料を塗装するときの様子
左の写真は屋上防水に断熱材を敷きこんでいる様子です。
この上に防水層を設け、その上からさらに遮熱塗料を塗って仕上げると、一番外に遮熱塗料の塗膜が形成され赤外線エネルギーを反射してくれて、熱が建物に伝わるのを抑えられます。
さらに、遮ることができなかった熱は防水層を伝って建物側に伝導していきますが、断熱材があるのでこの断熱層で熱伝導をさらに抑えてくれます。
この遮熱塗料+断熱材が遮熱効果を発揮する最も良い条件だと大同防水は考えています。
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断熱材を敷く
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遮熱塗料の塗布
もちろん、弊社とは異なる考え方の方もいるでしょう。それを否定するつもりはありません。
ただ、自分たちの経験則から言えば、この組み合わせなら遮熱塗料でOKですよ!と自信を持って言えるということです。
過大広告に魅かれて施工されたお客様から万が一、効果が感じられないと言われたとしたら、プロとしてこれほど残念なことはありませんから。
住宅の屋根にも塗れる断熱塗料・消熱塗料・排熱塗料
住宅の屋根にも塗れる塗料として、断熱塗料・消熱塗料・排熱塗料といった製品もあります。
大同防水ではこの3つの遮熱系塗料をお勧めします。また実際に効果を体感していただけるよう、デモ機をご自宅まで持参しますのでお気軽にお申し付けください。
断熱塗料
遮熱は赤外線エネルギーを反射させるメカニズムの塗料です。では断熱塗料はどうでしょうか。
日進産業の断熱ガイナが代表格ですが、このガイナは塗料の7割を占める球体セラミックに秘密があります。
球体セラミックに侵入した赤外線エネルギーが球体のプリズム効果により、反射と屈折を繰り返し、屋内に伝導するエネルギー量を減少させてくれるのです。
また、セラミックに配合した遮熱物質が太陽光に含まれる赤外線を反射するWの効果で、高い遮熱効果を発揮するのがガイナの特徴です。デメリットをあえていうならグレー(N-50)より濃い色ができない点です。
消熱塗料
次に、熱エネルギーを消してしまう消熱塗料です。代表格は大日技研工業のランデックスコート・スーパーエコ体感です。
塗料に含まれる混和材の個体の物質は常温では多孔質無機質粒子に含浸されていますが、高温になるとこの多孔質無機質粒子の個体が液体に変化して熱を奪うメカニズムとなっています。
この消熱塗料の特徴は、どんな色でも赤外線エネルギーを60%以上反射するところにあります。つまり濃い色でも遮熱効果を発揮するということです。
濃い色を選べるという点が一番広島のお客様のニーズに合っているのではないかと思います。
排熱塗料
さらに冷めやすい塗料としてのポジションを確立しつつあるのが、日本中央研究所の排熱塗料アドグリーンコートです。
塗料に含まれるアドマファインセラミックは半導体にも使われている物質で、熱伝導率が高いため畜熱しないという特徴があります。塗膜表面が冷めやすいことから遮熱効果を発揮できるのです。
遮熱塗料
遮熱塗料は熱エネルギーを反射することで温度上昇を抑える塗料です。最も多く屋根に塗られているのが遮熱塗料です。
一般的な遮熱塗料は汚れやすい特徴がありますが、アステックペイントのスーパーシャネツサーモFは5年経過しても汚れず、シェアNo.1の遮熱塗料です。
遮熱塗料は夏だけ働くので、冬が寒くなるということはありません。
日本の年平均気温の偏差の経年変化
日本の年平均気温は、長期的には100年あたり約1.14℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。
*気象庁ホームページより抜粋
この状況を踏まえると、屋根温度も年々上昇していることになり、従来の一般樹脂塗料では対応できないと言えます。
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たとえば、暑い国に生まれた子供は暑さに強いはずです。あるいは比較的夏も涼しい国に生まれた子供が暑い国に行くと、すぐさま熱中症になるはずです。
年々熱くなる日本の夏の屋根の表面温度は70℃近くにもなり、薄底の靴で作業すれば足の裏をやけどしてしまうほどです。
一般塗料はもともと、熱に対応できる能力を持っておりません。変わって、断熱ガイナやランデックスコート・スーパーエコ体感などの遮熱・断熱・消熱塗料は生まれながらに熱に対応できる能力を持っています。
一般の樹脂塗料とこれらの塗料のどちらが長持ちするでしょうか?
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わかりやすく言えば、熱に強い塗料は自分で自分の体温を調節できる子供です。一方で従来の塗料は自分では体温の調節ができない子供です。
このような環境下でどちらの子供が元気でいられるでしょうか?言うまでもありませんね。
答え.過酷な屋根には熱に強い塗料を塗るほうが長持ちする
※塗料代の差額は年間の光熱費が下がることで数年で元が取れますよ。