塗装して7年経過したお家のアフター点検に行って来ました。塗料はカタログより実物を見て選ぶのがお勧めです。
目 次
オールフッ素仕様のお家 アフター点検7年目
広島市南区で外壁塗装を施工させて頂いて7年経過したOB様の御宅に7年目のアフター点検に行って来ました。
こちらのお客様は出来るだけ長持ちさせたいというご要望だったので、外壁と付帯部も全て高耐久フッ素塗料で塗り替えさせて頂いております。
施工後7年経過してどう変化しているのか確認してきます。
遮熱フッ素塗料を塗って7年経過したサイディング外壁
まずは外壁からです。この御宅は一般的な窯業系サイディング部分と石を貼ったように見える高意匠サイディング部がありました。まず一般部のサイディングからです。
一般部には、汚れにくい塗料として定評のあるアステックペイントの超低汚染リファイン1000MF-IRを塗りました。写真ではわかりにくいのですが、実物は全く汚れもなく艶もぴっかぴかの状態でした。
リファイン1000MF-IRの特徴としては、塗膜表面の性質が親水性になっており、汚れが付着しても雨で洗い流してくれるのでいつまでもきれいが続くという塗料なのですが、7年経っても本当に汚れが付いていないので良い塗料だと思います。
さらに遮熱機能が付いているので夏は日射による熱エネルギーを反射することでサイディングの温度上昇を抑えてくれます。
サイディングの温度上昇を抑えると、サイディングの熱収縮が小さくなるのでシーリングが長持ちします。また、室内の温度上昇も抑えてくれるのでサイディングには遮熱塗料が適しています。
フッ素クリアーを塗って7年経過した高意匠サイディング
次に、石を貼ったように見える高意匠サイディング部分ですが、せっかくの模様を活かすためにここはクリアー塗料を塗りました。
日本ペイントのピュアライドUVプロテクトクリアーフッ素を塗っていますが、これは艶感が上手く撮れていますね。
ちなみにクリアー塗装で仕上げる場合は、築8~10年目に出来るだけ早い塗り替えメンテナンスが必要です。15年以上経過していると、色褪せていたり出隅が破断したりして、クリアー塗装が施工出来なくなります。
また、この御宅は艶ありを塗っていますが、あまりぴかぴかした仕上がりは好きじゃないという方向けに3分艶もあるので、お好みで選んで頂けます。
オートンイクシードを施工した7年後
サイディングの外壁で最も気になる部位が目地シーリングです。外壁・付帯部共高耐久仕様なのでシーリングもバランスを考慮してオートンイクシードを使いました。
目地部分に微細なひび割れが入ることがよくあるのですが、割れていませんでした。
シーリングの表面が割れないようにするためには、シーリング施工後5~7日くらい乾燥養生期間を設けること、また微弾性フィーラーをシーリングの上から塗ってから塗装すると割れにくくなりますが、2021年から大同防水はシーリングは後打ち工法を標準にしているので、シーリングの上から塗装するのはお勧めしません。
シーリングの状態が良いのは外壁に塗った遮熱塗料が効いているのだと思います。
フッ素塗料を塗って7年経過した付帯部
次に胴差(どうさし)というベルトのような飾りの部分ですが、こちらも外壁とのバランスを考慮して日本ペイントのファイン4Fセラミック(フッ素)特注色を塗っていますが、艶がありぴっかぴかでした。
最後に雨樋です。こちらも日本ペイントのファイン4Fセラミック(フッ素)の黒を塗っていますがぴっかぴかでした。
黒は熱を吸収する性質があるので色褪せやすいのですが、フッ素樹脂の耐候性が高いので7年経過しても艶がありぴっかぴかでした。シリコンを塗っていたら艶がなくなっていたと思います。
実は外壁よりも付帯部の方が早く劣化するので、胴差・破風・雨樋・スリムダクト・土台水切り・霧除け庇・雨押さえ板金などの付帯部に高耐久フッ素を塗ることをお勧めします。
シーリングの界面剥離
今回のアフター点検で気付きがありました。1階部分の土台水切りから50㎝くらい上の目地シーリングが界面剥離を起こしていました。
塗料はピュアライドUVプロテクトクリアーフッ素を塗った部分です。
この塗料は紫外線はカットしてくれるのですが、遮熱機能はないので、おそらく高意匠サイディングが熱くなり熱収縮を起こしてシーリングを引っ張ったために、界面剥離を起こしたのだろうと推察しました。
なぜなら、一般部に塗ったリファイン1000MF-IRは遮熱塗料なのですが、この部分のシーリングには全く異常はありませんでしたので、塗料の性質の違いでシーリングに与える影響が異なることが証明されました。
こうしたアフター点検を実直に行うことで気付きを得て、今後のために改善を図っています。