
本ページの事例は他社施工物件です。正しいシーリングの施工の仕方を理解していただき、お客様が自分で自分を守って頂くことが目的です。
誤解の内容にお願いします。
シーリング材の選び方と工法
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こちらの画像をご覧ください。外壁を塗りかえて1年目のサイディング外壁(他社施工)です。
外壁はグレー色で塗りかえてありますが、目地シーリング部分をよく見ると、割れており白いシーリングが見えています。
こういう風に外壁の仕上げ色と異なる色のシーリング材を使うと、塗膜が割れたときにシーリングが見えてしまうので、目立ちます。仮に目地部分の塗膜が割れたとしてもシーリングが目立たないよう、できるだけ外壁の仕上げ色に近い色のシーリング材を使うべきです。
この場合は外壁がグレー色ですから、シーリング材もグレー色にすべきだったということです。
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実はそれだけではありません。よ~く目を凝らして見ると、シーリングを打ち替えていないことがわかります。
もともとのサイディング目地幅は10mm程度あるのに、真ん中の5mmくらいのところでシーリングの表面に段差が生じています。
塗り替え時にはシーリングは撤去して新たに打ち替えるのが基本で、きちんと古いシーリング材を撤去して新しいシーリング材に打ち替えていたとすれば写真のように表面には段差は生じません。
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段差が生じた理由は、半分だけ打ち足したのではないか?ということです。
左の画像のようにシーリングが界面剥離(片方だけ剥がれている状態)を起こして隙間が生じていますが、この隙間にシーリング材を充填すると上の画像のように段差が出来るはずです。
常識的に考えて、古くなったシーリング材を半分だけ撤去して打ち替えることはしないはずなので、あらかじめ隙間ができていた部分に新たにシーリング材をすり込んだだけで上から塗装したのではないかと推察されるわけです。
とはいえ、契約がどうであったかは定かではないので、一概にこれが手抜きだとはいえませんが、シーリングのやり方考え方として間違っているということは否めません。
シーリング表面の塗料が割れる原因
次にシーリング材表面の塗膜が比較的浅い年数で割れてしまう原因は、塗料が硬い場合です。
シーリング材はいわばゴムですから弾力があるもの、つまり柔らかいわけで、その上から硬い塗料を塗ってしまうとシーリングが伸縮した時に硬い塗料は追従できず、割れてしまいます。
割れるだけなら良いのですが、剥離してしまう場合はシーリングの乾燥効果が不十分である場合に起こります。
シーリングと塗料の相性
柔らかいものの上に硬いものを重ねると割れてしまう
柔らかいものの上には柔らかいものを重ねる必要がある
柔らかいシーリングの上には柔らかい塗料を重ねる必要がある