職人とは?
職人と聞くと、なんだかその道を極めたプロフェッショナルのようなイメージでかっこいいですよね。
でも、ゼネコンの建築現場に行くと職人ではなく作業員と呼ばれます。これは一体何故でしょうか?
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茶碗職人を例に挙げてみます
茶碗職人のイメージ画像茶碗が出来るまでの工程は、まず土を練り、電動ろくろで形を整え乾燥させます。
少し固まってきたら削ってさらに整形します。それから窯に入れて焼き、色を付けて行きますよね。
そうして、自分の思い通りの形、思い通りの色に出来あがった茶碗を商品として売ります。
もしも、形が曲がっていたり、思い通りの色が出てなかったりしたら、職人はどうするでしょう?まぁいいや、バレないだろうと、商品棚に並べるでしょうか?
おそらく並べないはずです。もしも自分のイメージ通りに出来上がっていなければ、その作業工程中で茶碗を割るでしょう。これぞ職人魂です。
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塗装職人に話を戻します
お客様のご自宅を塗った塗装職人が、自分の仕事を茶碗職人のように自主検査を行いながら施工しているか?ということ。
塗装工事にかかわらず、すべての建築職人にも同じことを問うたときに、茶碗職人と同じような気概心を持ってものづくりに徹しているか?を考えると、何故ゼネコン現場では職人と呼ばずに作業員と呼ぶのか、その答えが見えて来ます。
職人任せにしていたのでは、完全形のものがつくり出されないのです。だから、建築業界には現場監督が必要なわけです。
塗装職人の傾向
装には手塗り工法と吹き付けの工法があります。手塗りで塗りますと聞くと、丁寧に仕事をしてくれそうに聞こえますが、吹き付けよりも手塗りの方が良いというわけではありません。
車のボディはどうやって塗装されているでしょうか?飛行機は?新幹線は?サイディングボードはどうでしょう?そうです、どれも吹き付けです。
もしも手塗りの方が品質が高いなら、車も飛行機も新幹線も、手塗りで塗装するはずですよね。
工場内部で塗装するものは、風の影響を受けないので吹き付け工法が良いのです。現場では風の影響を受けてしまいますし、近隣住宅が密集していると塗料が飛散するおそれがあるので、リフォームでは手塗り工法が多いだけ。
手塗りだと塗膜厚を確保するには塗る者の技量に左右されやすいですし、塗り残しも起こりやすいのです。
手塗りと吹き付け工法どちらが均一に塗装できるかと言えば、吹き付け工法になります。
現場管理の重要性
私が考える塗装職人とは、第三者にここが悪いから直してくれと指摘されてから直すのではなく、自らのこだわりで仕上げることができる者のことです。
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ですから、まずは自分が塗装した部位を職人自らの眼でチェックをし、不具合箇所があれば修正をする、それでも見落とすこともあるから、現場監督が第三者の眼でチェックをし、修正する。
最後にお施主様の眼で見ていただき、指摘があれば再度修正を行うというように、3段階の品質管理が大同防水流になります。
これでも完璧にはなりません。検査を通過してお引き渡しした後の点検で気付くこともあります。それは真摯に是正をする、この姿勢こそがお客様の信頼につながると信じています。
良い現場監督
かといって、職人が高い気概心を持っていれば外壁塗装は良い仕事になる、というものではありません。職人の気概心と、現場監督の眼がお客様の気持ちに寄りそうことが出来て初めて、ご満足いただける工事になると考えています。
一般的に良い職人であれば誰でも使いたがるわけですが、それは監督の立場から見れば良い職人だと自分が楽だからです。
良い職人であることと、良い現場監督が併さって初めて相乗効果が生まれるのです。
私が考える良い現場監督とは、職人以上にお客様の気持ちになって、自分の家や自分の実家だと思って工事管理ができる者のことです。そして忘れてはいけないのが、職人の気持ちも理解できなければならないということ。
職人からも信頼される人物でなければなりません。
良い塗装職人とは
自分の仕事を自分でチェックして是正できる人
第三者の指摘に対して素直に是正できる人
汚さずに塗れますではなく汚しても大丈夫なように養生を施して塗装する人