品川真一
右手に江田島を望みながら487号線を走っていると一瞬景色が茶色になる場所があります。日新製鋼呉製鉄所。工場全体が赤茶に染まっているのは経年の錆び。
職業柄、この道を通るたびになんでメンテナンスしないのだろう?わざと錆びさせてるんじゃない?予算がないんじゃないかな?なんて会話になります。どうやら今年閉鎖されるそうですね。
近隣の住宅では長年鉄粉が降り注ぐ問題に悩まされていたようです。これ。サッシのレールに鉄粉が堆積して真っ黒です。これは酷いですね・・・
この悩みが無くなりそうだというものだから良かったと思う反面、工場が閉鎖されると経済的な影響が懸念されます。工場があることで支えられてきた商店街。雇用も守られてきたであろうに、工場関係者だけで1500人が雇用を失うらしい。
鉄と言えばアンドリュー・カーネギーですが、木で作られた橋が流されていくのを見てこれからは鉄の橋が必要だと思ったのがきっかけでアメリカの鉄鋼王と呼ばれるまでになった人と記憶していますが、日本の鉄鋼工場が閉鎖する時代になったことに時代の変化と一抹の不安を覚えずにはいられません。
熟練の技術者が必要な職業で熟練工の引退や若者への技術継承が進まないこと等から工場火災が起こった。改修されずに古い工場のまま。何やらなるべくしてなった淘汰のような気がしてなりません。
難しいことはわかりませんが、例えば閉店セールなんてイベントをやる店がありますが、あれって閉店するから余った商品を安く買って!捨てるより良いから!ってことなのかと思ってたら違うんですよね。お客さんが飽きるから模様替えするだけです。
同じ感覚で言えば、数年単位で店舗もホームページもリニューアルしなければならないことになりますが、こうした設備投資ってやっぱり重要なんですね。
古い車に乗っていたら物を大切にする人だなと思われるかと言えばそうじゃない。新しい車に買い替えるお金がないんだと思われるようなものです。
なんでも無くなるのは寂しいものですが、人の振り見て我が振り直せ。こうした時代の変化や企業の閉鎖倒産からも生き残るヒントを学んで行かねばと思います。
ではまた~