品川真一
私が育った環境では、日本人は素晴らしくて日本人魂みたいなものをしつこく教育されてきたように思います。そういう精神ってどこに行ったのかな?と最近思います。
JAPAN AS No.1とかMADE IN JAPAN
CHINAだと偽物じゃん・・・なんて言ってたのが今は逆転してしまってますね。
今朝SNSで見たんですが、塗装屋が破風の写真を上げて「シートみたいなものが貼ってあるんですけどこれは塗れますか?」と聞いてるんですよ。そこに思い思いのコメントが入ってました。恐ろしいです・・・
塗装屋でしょ?職人でしょ?お客様に営業して仕事を貰ってる立場ですよ?足場に上がった時点で「これは塗れますか?」とSNSで知らない人に聞く、信じられません・・・。さまざまな処理方法がコメントに入ってましたが正解率は数パーセントでした。
これが塗装業界の実情かと思うと恐ろしや・・・
これを踏まえて、【塗るべきもの・塗らないもの・塗ったらトラぶる可能性があるもの】に区分して表現していく必要があると思いました。
今日はこのSNSにあったシートの上に塗れますか?というような案件についてわかりやすく説明しておこうと思います。
そもそも、塗れますか?塗れませんか?の意味ですが、塗ろうと思えばガラス以外何だって塗れます。問うてるのは塗っても剥がれたりしないか?ということです。
塗装の考え方ですが、例えば鉄。塗装しておかないと錆びますよね?だから研磨して錆止め塗ってペンキを塗るわけです。すると5年後にペンキが剥がれてサビが出て来る。もう一度塗装しないといけません。
ここからが重要です。最初に塗ってあるペンキを全部剥がすのか剥がさないのか?です。基本は剥がさずに上から塗装を重ねて行きます。
そこで戻ります。「これは塗れますか?」という問いを持ってくると、「古いペンキの上から塗っても問題ないですか?剥がれませんか?」という意味になるわけです。
ここで問われているのが塗料の【密着性】です。①鉄に対して最初に塗ったペンキの密着性と、その上から塗るつまり、②古いペンキと上から塗る新しいペンキの密着性、この二つが絡んできます。
①と②両方が重要で、どちらかが不十分だと塗ったペンキが剥がれるわけです。そして保証上の観点から言うと、古いペンキから剥がれてしまったら無責、免責なんです。
じゃあ古いペンキの密着力が低下してきて剥がれてしまう恐れがあるなら、古いペンキは全部剥がした方が良いんじゃないの?になりますよね。では3層と6層だったらどっちが強いですか?6層ですよね。なので、無限というわけではなりませんが、ある程度の許容範囲までは塗り重ねた方が強くなるのです。
SNSでのやり取りを見ていて思ったのは「シートの上から塗れますか?」「塗れますよ」そういうことじゃないんですよ(笑)はい確かに塗れますよ、塗れますけど、そのシートが将来剥がれて来るでしょう?剥がれたら塗ってもお客さんは嫌じゃないの?というのが私の見解です。
だったら、塗装するんじゃなくて交換するか、板金でカバーする提案をした方が良い。万が一塗装するなら、剥がれるリスクがあることを説明して保証対象外であることを契約に盛り込まなければならない。これがプロだと思います。
いずれにしても、足場に上がってから「これ塗ってもいいの?」と言うような知識のない業者には注文しない方が良いですよ、当たり前ですけど。
補足しておくと、営業は知識が少なく仕事を取ることを考えてるので、塗れるか塗れないかまで診断できる人は少ないです。塗りで見積もりして下請けに発注した、職人が塗ろうと思ったら、これシートが張ってあるけど塗れるの??になったのだろうと思いますが、元請けも職人も素人ということです。
お客様は素人さん(言い方が悪くてごめんなさい)なのですから、プロに相談するんです。素人さんが素人に任せてはダメですよということです。
なんとなくでも伝わりましたでしょうか?うちのスタッフに意見を聞いてみます。
ではまた~