アスベストを含む屋根にカバー工法で施工する場合、粘着層付きルーフィングを使うべきか否か賛否両論あるようです。
このページではカバー工法で使用すべきルーフィングとその理由について説明しています。
アスベストを含む屋根にカバー工法で施工するということは、今現在はアスベスト処分をせず封じ込めて先送りするという考え方になります。
この時に、どんなルーフィングを使うべきか?粘着層付きルーフィングを使った方が良い・使わない方が良いという見解があり、どちらが正解なのかわかりにくいのではないかと思います。
アスベストを含む屋根に自着層付きルーフィングはNG?
アスベストを含む屋根にカバー工法を行う場合、自着層付きルーフィングを使わない方が良いという見解があります。
それは、“自着層付きルーフィングを使うと将来屋根を解体するときに屋根材にルーフィングがくっついてしまうためアスベストの処分費が高くなるから”という理由だそうです。
もう少し砕いて説明しますと、粘着層が付いていないルーフィングを張っていれば屋根材とルーフィングがくっつかないため、アスベストを含む屋根材と仕分けして処分することが出来るが、粘着層付きルーフィングを張っていると屋根材とルーフィングが密着してしまい仕分けが難しくなるので、粘着層ルーフィングもアスベスト処分費に加算されてしまう、ということのようです。
自着層付きルーフィングは遅延粘着型といって張った直後は剥がせるが、2時間経過すると密着力が増すという性質のルーフィングなので、施工後年数が経過すれば剥がすことが困難になることは予想されるので、上記の見解は間違っていないと思います。
ただし、大同防水ではそれでもカバー工法には粘着層付きルーフィングをお勧めしています。その理由を説明していきます。
粘着層付きルーフィングを推奨する理由
粘着層付きルーフィングを推奨する理由は、ルーフィングの重ね部分が密着することで止水性(防水性能)が高くなるからです。
このルーフィングのことを二次防水材(層)といい、カバーする屋根材のことを一次防水材(層)といいますが、雨漏り対策は二次防水層を完璧に施工することが重要なのです。
二次防水層が完璧に施工してあれば、屋根材に隙間ができても雨漏りしません。理論的にいうと、瓦がなくてもサイディングを張らなくても、目地のシーリングがなくても、二次防水層が完璧なら雨漏りしません。
つまり、大同防水は先送り出来るアスベスト処分費のことよりも、リフォーム後の雨漏り対策に重きを置いて考えているということです。
粘着層付きではないルーフィングの施工方法
粘着層付きではないルーフィングと粘着層付きルーフィングとでは張り方が異なります。
まず粘着層付きではないルーフィングの場合、張るというよりは敷くだけで、エアー釘打ち機でルーフィングを既存の屋根に固定していきます。
エアー釘打ち機とは、コンプレッサーに繋いで圧縮した空気で釘を打ち込んで行く工具です。パシュン、パシュンと音がします。
一方で粘着層付きルーフィングの場合は、ルーフィングの裏面にのりが付いているのでルーフィングの裏面の剥離紙を剥がして既存の屋根に直接張りつけていくため、ルーフィングを留め付けるための釘は打ちません。
釘はルーフィングや屋根下地を貫通するので、わざわざ拵えた防水層に穴を開けることになります。そして開ける穴が多ければ多いほど弱点になるわけですから、例え改質アスファルトルーフィングはゴムが添加されていてビス穴シール性が高いとしても、できるだけ釘は打たない方が有利だという事には変わりはありません。
屋根勾配とルーフィングの関係性
屋根には勾配があり、お家によって屋根勾配がきつい・緩いなど違いがあります。例えば6寸勾配以上だと勾配がきついと言えると思いますが、3寸勾配の屋根は逆に勾配が緩いです。
屋根勾配がきつければきついほど、屋根が雨水を受け止めておく時間が短くなり、勾配が緩ければ緩いほど屋根が雨水を受け止める時間が長くなります。
ビルの屋上は陸屋根といいますが、英語ではフラットルーフといいます。勾配がゼロに近いからフラットルーフと呼ばれており、屋上に使うルーフィングはすべて粘着層付きです。
なぜならフラットルーフは雨水が流れにくく、ルーフィングの上に雨水が滞在する時間が長くなるので、ジョイントを完全に密着させて雨水が浸入しにくいようにするためです。
ですから、屋根勾配が緩い屋根ほど、粘着層付きルーフィングを使う方が防水性(止水性)が高くなるのです。
アスベストの取り扱い方
アスベストの取り扱い方ですが、すでに使っている建材にアスベストが入っているのは良いのですが、例えば穴を開けたりアスベストを含む建材を壊した時にアスベストが飛散しないようにしなければならないので、例えば屋根材にアスベストが含まれている場合は飛散させないよう丁寧に剥がして処分しなければなりません。
しかし現実的には仮設費用の問題や近隣住民へ周知したとしても風評被害が発生してしまう可能性も否めず、臭いものには蓋をしろというように、今は処分をせず封じ込めて先送りにするという考え方が主流になっています。
屋根を葺き替えずにカバーするという事自体、今はアスベスト処分を行わないようにすることですから、お家としての役割を終えるとき、つまりお家を解体するときにアスベスト処分を行うという考えになります。
いつかお家を解体するときの処分費用を考えるのか、お家で暮らしていく間に雨漏りしない保証を考えるか、どちらも間違いではありませんが、雨漏りに詳しい大同防水は、カバー工法の場合は粘着層付きルーフィングを使うことをお勧めしています。

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