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ブロック塀の塗装が剥がれる理由と塗装の仕方

ブロック塀の塗装は剥がれやすい

ブロック塀は基礎が地中に40㎝以上埋っているので常時湿気を吸い上げます。この湿気を放出できる塗料で塗装しないと剥がれてしまいます。

ブロック塀の塗装が剥がれる理由

家の外壁塗装と併せて行われるのが塀の塗装。コンクリートブロックで出来ているこの塀の塗装は、実はちょっとやっかいなのです。

現場調査に伺うと、大抵は塀の塗装が膨れていたり、剥がれていたりすることが多いです。お客様の家の塀も剥がれていませんか?

ブロック塀の塗装は剥がれやすい

ブロック塀のひび割れを隠すためにおかす間違い

塀がひび割れていることもよくあります。このひび割れを隠すために、柔らかい微弾性フィーラーなどの塗料で下地処理をして塀を塗装するのは間違いです

塗料は、柔らかければ柔らかいほど空気を通しにくくなります。柔らかい塗料を塀に塗るということは、わざわざ空気を閉じ込めるようなものですから、確実に膨れるか塗装が剥がれてしまいます。

さらに、塗料は柔らかければ柔らかいほど下地との密着性が弱くなります。塀に微弾性フィーラーを直に塗る職人が多いですが、厳密にいえば密着していません。これもまた塀の塗装が剥離しやすい要因になってしまいます。

ブロック塀の塗装をするときの注意点

膨れや剥がれが見られるブロック塀の下地処理

現状で膨れや剥がれが見受けられる塀は、既存の塗膜層を全撤去するのが正解です。

膨れていたり、剥がれている部分だけを剥がし、部分的な段差補修をして塗装するのは間違いです。なぜなら、旧塗膜が膨れてしまった理由は空気を通さない塗料だからです。

空気を通さない旧塗膜層を残したまま、上から空気が通る塗料を塗っても意味はありませんし、再度、旧塗膜から剥がれてしまう可能性があります。

ブロック塀に不向きな塗料

はがれてしまった外構ブロックの吹付タイル塗装コンクリート塀は水を吸いやすい性質を持つため、外構ブロック塀の塗装は透湿性・通気性の高い塗料を選定することが必須になります。

間違った塗料の選定例
・ジョリパッド仕上げ
・弾性塗料の仕上げ
・吹付タイル仕上げ

これらは透湿性・通気性が低い塗材なので、外構ブロック塀の仕上げには不向きです。画像は外構ブロックに吹付タイル塗装を行ったために剥がれてしまっています。

チョーキング現象と通気性の関係

旧塗膜が空気を通しにくい塗膜であったとしても、いずれは空気を通す状態になります。俗に言うチョーキング現象が現れた時がそれです。

チョーキングがみられる塗膜は防水性が著しく低下していますが、逆に言えば通気性は回復しているので、一概に悪い状態だとは言いきれません。

塗膜自体は黄色信号ですが、通気性は青信号。つまり塗装状態は良くないけど建物にとっては呼吸が出来る良い状態に戻ったわけです。

ですから、通気性が高い塗料を塗りたいときは、旧塗膜がチョーキングを起こす時期に塗り替えると良いということになります。

塗装が剥がれないようにする方法

塗装が剥がれないようにする方法はふたつあります。

1.巾木を作ること

まず第一に、巾木を作ることです。足元を10cm~15cm程度、塗装しないようにするのです。

地中や地面は湿気をもっているので一番近い場所から湿気を逃がしてやるという考え方です。

こうすれば吸い上げた湿気はこの巾木部分から外に排出されますので、巾木より上部の塗装が剥がれにくくなります。

2.通気性の高い塗料を選ぶ

次に、これが一番重要なのですが、通気性の高い塗料を選ぶということです。湿気を吸い上げたり、塗料の裏側に湿気が存在していたとしても、塗膜に通気性があれば塗膜を透過して湿気が外に排出されます。

反対に、外構ブロック塀に使ってはいけない塗料が伸びて柔らかい性質を持つ弾性塗料です。弾性塗料は言いかえればゴムです。ゴムは伸びますが空気は通しません。

風船の中に空気を送り込むと風船が膨らむことがそれを示しています。「ゴムのように柔らかく伸びる弾性塗料=剥がれ・膨れが起きやすい」ので注意が必要です。

外構ブロック塀の塗装の剥がれを直す方法

外構ブロック塀の塗装の剥がれを直すには、まず既存の塗膜を剥がす必要があります。

剥がれる・膨れる=通気性がないので、剥がれた部分だけ補修しても他の部分から剥がれてくる恐れがありますから、基本的には範囲を区切って既存の塗膜を剥がし、左官補修をした上で周りの模様に合わせ、通気性の高い塗料で塗装し直すことになります。

剥がれ補修の事例

今回の現場は玄関前の外構ブロック塀がジョリパッド仕上げになっており、浮きが見られました。

ここでよくありがちなのが、浮いている部分だけ剥がし、段差を左官補修してから塗装する方法です。

これは上で述べているように間違った補修方法です。

この場合は透湿性・通気性の乏しいジョリパッド層を全面剥がし、撤去しなければなりません。

既存のジョリパッド塗膜を剥がしたら、カチオンフィーラーで全面下地調整をし、フラットにします。カチオンフィーラーが乾燥硬化したら、塗装をします。

この現場は透湿性・通気性の高いアクリルリシンを吹き付けました。これでこの外構ブロック塀の塗装は剥がれたり、膨れたりすることはなくなります。

ジョリパッドの鏝仕上げの質感は確かに高級感があり良いのですが、剥がれたのでは台無しですよね。

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