外壁塗装は安全第一で取り組んでも稀に事故やトラブルが発生することがあります。このページではよくあるトラブル事例と気を付けるポイントについてまとめています。
外壁塗装工事には足場の仮設が必要になるため、物損事故が起こりやすい工事です。安全第一に努めてはいても、どうしても0にはならないものです。
大同防水でも残念ながら年間で数件の物損事故が発生しており、物損事故が起こる確率を算出すると0.05%となっています。
もちろんこうした物損事故が起こる可能性があるため損害保険に加入していますが、中には保険に入っていない業者も居るので、契約前にその塗装業者が保険に加入しているかどうか事前に確認された方が良いかと思います。
ここでは、よくある物損事故の事例をまとめているので、事故防止のための事前対策になれば幸いです。
土間コンクリートを傷つける
足場を仮設する前にトラックから足場資材を地面におろすことから始まりますが、足場資材を直接地面に置くとコンクリートやアスファルト舗装に傷が入ってしまうことがあります。
足場職人は、お客様のお家や車は傷を付けてはいけないという意識が向いているのですが、コンクリートや前面道路のアスファルトには意識が向いていないなと感じることが多いです。
来たときよりも美しくではありませんが、道路であってもやはり傷をつけたくない、傷つけて欲しくないというのが一般的な感覚だと思うので、養生を施した上に足場資材を仮置きするようにしたいものです。
直置きすると足場資材を引きずったり、引っ張ったりしてしまうので傷が付きやすくなってしまいます。
植木鉢が割れる
外壁塗装工事中の物損事故で最も多いのが植木鉢の破損ではないかと思います。
お家の周りに植木鉢やプランターを置かれているご家庭が多く、予め移設できるスペースがあれば良いのですが、なかなかスペースがないもので、端に寄せて仮設したりすると、植木鉢を破損させてしまうことがあります。
対策としては、やはり移設できるものは予め移動しておくのが安全ですが、どうしても移設スペースがない場合は、汎用品ではない植木鉢、例えば旅先で購入したものであるとか、市販されていないような、同じものが手に入らないものだけでも移動しておかれることをお勧めします。
車に塗料が飛散する
塗装工事で最も注意しなければならないのが塗料の飛散です。手塗りで施工しても塗料は飛散します。職人を見てください。塗料で顔や腕や作業服が汚れてますよね?あれは塗装中に塗料が飛散している証拠です。
手塗り塗装の場合はローラー刷毛を使いますが、外壁にコロコロとローラー刷毛を転がしているときにどうしてもローラーから塗料が跳ねるので飛散してしまうのです。
飛散養生対策としては、足場のメッシュシートがある程度防いでくれますが、シートのつなぎ目やメッシュの穴などからも塗料が飛散してしまうことがあるので、駐車場側だけでも防炎シートを張っておくと少しは安心です。
特にトラブルになりやすいのが車への飛散で、透明な塗料は車に飛散していることはぱっと見気付きにくいのですが、ガソリンスタンドやディーラーに持って行くと必ず明るみになります。
足場と駐車場が近いとか高級車で気になる場合は仮駐車場を短期で借りていただくか、足場のメッシュシートを防炎シートに変更するなどの対策も併せて必要です。
また車への飛散防止対策には車カバーがありますが、不織布製の車カバーにこだわりたいところです。
ビニル製のカバーは静電気で埃が付着するので、使いまわすときに表裏を逆さまにしたり、地面に置いたりしてしまうと静電気で埃が付着し、そのまま車にカバーすると風で擦られてボディーに傷が付いてしまうためお勧めできません。
アクリル板が割れる
ほとんどのお宅にカーポートや洗濯干し場の屋根としてテラス屋根があります。これらは足場を仮設する際に妨げになるため、パネルだけは脱着しなければなりません。
ところが、このパネルも経年で劣化しているため、取り外す際に割れてしまうことが多々あります。
パネルにはポリカーボネート板とアクリル板がありますが、特にアクリル板の場合はほぼ99.9%割れてしまうので、事前にポリカーボネート板なのかアクリル板なのかを把握しておかねばなりません。
劣化したアクリル板においては取り外しどころか、軽く手で触れただけで壊れてしまうものもあるので、塗装屋泣かせの代物ですが、大同防水では劣化によって割れてしまったものについてはお客様に材料費をご負担いただいております。
一番良いのは外壁塗装工事に併せてこれらのパネルも交換されることです。
転がし配管が割れる
地面に埋設してある配管なら安心なのですが、たまに地面の上に配管が転がしてあることがあります。
この配管を転がし配管といいますが、転がし配管の場合は地面の上に配管されているので、物損するリスクが高くなります。
こちらの配管は敷地の端にあったもので、一見破損しようがないように思えますが、こうした部位の方が油断が生まれて破損事故が起こったりするものなのです。
室外機の蓋が凹む
室外機の蓋(天板)が凹んでしまう事故もよくあります。これは、脚立代わりに室外機に上がることによって凹んでしまう事例です。
特に事故が起こりやすいのがベランダの中にある室外機です。ベランダの中は足場を組まないケースが多く、脚立を必要とする場合はベランダまで脚立を運ばないといけないので疎かになりがちです。
そこで3尺の脚立を持ち運ぶことを嫌って、足場からベランダに入るときや、ベランダから足場に出るときに室外機を脚立代わりに使ってしまうという事が起こります。
室外機の天板は非常に薄く強度はありませんので、人が上ると簡単に凹んでしまうので絶対に踏んではいけないのです。
昨今は室外機の上に板をはめ込む商品がありますが、これは室外機を踏むことが前提なのでおすすめしません。
万が一天板が凹んでしまった場合は機種さえわかれば天板だけを交換することは可能です。
瓦が割れる
2階の屋根のことを大屋根(おおやね)といい、1階の屋根のことを下屋(げや)と言いますが、下屋の上に足場を仮設する必要があるため、下屋の瓦が割れてしまうことがあります。
特に防災型平瓦は割れやすいです。この瓦は耐久性は長いのですが上からの荷重には弱いのか、足場を組むと結構な確率で割れてしまいます。
下屋の上に足場を組むときは、ジャッキベースの下に敷板を挟んで養生を行いますが、この敷板の真下部分が割れやすいため、工事着手前に予備瓦があるかどうかを確認しておく必要があります。
予備瓦がなくても現在も市販されているので購入することは出来ますが、1束4枚単位での購入になるため、1枚しか要らなくても4枚単位で購入するしかありません。
余った瓦は予備として保管しておくのが良いと思います。
マンホールが割れる
駐車場スペースには必ずと言っていいほど枡が存在しますが、住宅は鋳物製のマンホールではなく樹脂製のマンホールが使用されていることが多いのですが、この樹脂製マンホールは車の荷重には耐えられないので、踏んでしまうと劣化に伴い割れてしまうことがあります。
駐車場にトラックを乗り入れるときにマンホールを回避するスペースがなかったり、まずマンホールを意識していないのでこうした事故が起こることがあります。
樹脂製のマンホールはホームセンターでも3,000円未満で購入できるので、劣化している場合は予め交換する計画を立てておくと良いと思います。
完璧や完全はない
お客様におかれてはお家をきれいにメンテナンスしたいのであって、外壁塗装工事で物損事故が起こるなんていうマイナスなイメージは持たれていないのではないかと思います。
でも、実際はお家の周りに意外と物があったり、お隣との境界が狭い環境で工事を行っているので、物損事故が起こる可能性はゼロではありません。
何も起こらないことが当たり前ではなく、何も起こらなかったのは幸運だったのです。
外壁塗装工事を行う際はこうした事故が起こる可能性があることも視野に入れて、万が一物損事故が起こった場合はどうするのかを業者と協議しておかれることをお勧めします。
外壁塗装工事で事故を防ぐには まとめ
1.地面に直接足場資材を置かないようにする
2.植木鉢など移動できるものは予め移動しておく
3.車カバーは不織布製のものを使う
4.室外機を脚立代わりに使わない
5.予備瓦があるかを確認しておく
6.樹脂製マンホールが劣化している場合は交換で計画しておく
7.損害保険に加入しておく・業者に確認しておく