エアコンスリムダクトの塗装は注意が必要です。スリムダクトに濃色を塗装すると変形することがあるので、塗装したことが原因で変形したと認識されてしまう恐れがあります。
このページでは、スリムダクトの変形トラブルについて、弊社の最新の研究データに基づき説明しています。
エアコンの配管をカバーする化粧カバーのことをスリムダクトといいます。外壁にビスで留め付けてあるスリムダクトを外さないとカバーの背面の外壁が塗れないので、外壁塗装時には脱着して併せてスリムダクトもきれいに塗装したいところですよね。
ただ、スリムダクトの劣化状況によってはトラブルが発生することがあるので、このページで詳しく検証しています。
スリムダクト(エアコン配管化粧カバー)とは

※因幡電工ホームページより
スリムダクトはポリ塩化ビニルで出来ており、熱可塑性プラスチックの一種でPVCともよばれます。
PVCは耐候性に優れており燃えにくい素材ですが、耐熱性は低く、高温で軟らかくなり、強度が落ちて変形しやすくなります。
PVCの耐熱温度は60℃~80℃のため、これを超える温度に達すると変形してしまいます。
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カバーがないエアコン配管
エアコン配管とは冷媒配管・制御ケーブル・ドレンホースを総称したもので、ビニルテープで巻いてある状態
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化粧カバーがあるエアコン配管
エアコン配管を化粧カバーで保護すると見た目も綺麗で配管の保護になります
スリムダクト塗装後の変形に注意
塗装したスリムダクトが変形する事故が2024年夏に2件起こりました。この事象は大同防水としても初めて経験したケースで、2024年の夏がどのくらい暑かったのかを調べてみました。
気象庁の過去のデータを調べてみたところ、2022年8月の日最高気温の平均値は33.1℃、2023年8月は34.3℃、2024年8月は35.5℃と毎年1℃以上暑くなっており、2024年の夏の気温が最も高かったということがわかりました。
変形事故が起きた物件は2021年に塗装した現場で、日塗工15-20B(こげ茶)を塗装しましたが、3年間は異常は見受けられなかったものの、3年目にあたる2024年の夏に変形が確認されたものです。
このスリムダクトは20年以上経過しており、PVCが劣化して脆弱化していたものと思われ、そこに濃色で塗装したことで熱を吸収してしまうようになり、夏場に70℃を超えて変形してしまったのではないかと推察されます。
色による影響の違いはあるのか
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塗装直後のスリムダクト
塗装した直後のスリムダクトはまっすぐです
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塗装後3年経過したのスリムダクト
3年経過した(2025年1月現在)状態では変形しています
グレー色(日塗工:19-50A)で塗装した他の現場でもスリムダクトの変形が確認されました。こちらも塗装後3年目にあたる2024年の夏に変形が確認されました。
これにより濃色だけ注意が必要ということではないことがわかりました。
現在、変形が見られていないのはホワイトとアイボリーのみなので、年数が経過しているスリムダクトを塗装する場合はホワイト一択、その他の色では塗装しない方が良いかもしれません。
外壁がきれいになるとスリムダクトの色褪せが気になるので悩ましいところですが、塗装したから変形したのではないか?というトラブルを未然に防ぐためにも、今後も検証を続けて参ります。
蛇腹(フリーコーナー)は塗装できない
2階の部屋のエアコン室外機を地上の犬走に置く場合のスリムダクトですが、胴差があるお家の場合はスリムダクトが通せないので蛇腹になっています。この蛇腹の事をフリーコーナーといいます。
蛇腹は経年で変色したり穴が開いてぼろぼろに変化していきますが、原則蛇腹は塗装せず交換をお勧めします。
未塗装品でも変形する
劣化したスリムダクトに塗装すると変形しやすくなるのではないか?と考察していましたが、2026年3月4日に行った当社のアフター点検で新たな事実が判明しました。
こちらのスリムダクトは未塗装品で、2024年にエアコンを新設されたときに設置されたものですが、表面のカバーが凹んだように変形しています。
これは、このページの前段で説明した塗装したスリムダクトが変形する事故が確認された2024年と時期が完全に一致しています。
これまでスリムダクトの変形事故は劣化したスリムダクトに濃色を塗装した場合に起こるものという認識でしたが、未塗装品しかも新品であっても変形することがあることが判ったので、塗装するしないは関係ないことが判りました。
こちらは真下から見た画像ですが、化粧カバー上が凹んでいるだけでなく、化粧カバー下も湾曲変形していることがわかります。
カラーはブラウンのスリムダクトで濃色なのでホワイトよりは熱を吸収しやすいものと思われますが、夏の気温が高すぎてスリムダクトの耐熱温度を超える温度になってしまうと考えるのが正解なのではないかと思います。
2026年3月現在のところ、ホワイトとアイボリー色のスリムダクトの変形事故は確認できていないので、色による関連性があるかどうか、今後も検証していきます。

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