品川真一
塗料業界では、10年を目安に外壁の塗装メンテンスを行ってくださいと啓蒙しています。セミナーや勉強会に行くと必ずこのように言われるはずです。
もしもこれが本当ならというかこれが神髄であるなら、10年しか持たない塗料だけ存在すれば良くないでしょうか?
それなのに、15年持つ塗料、20年持つ塗料、(持たないけれども笑)30年持つなんて謳っている塗料も存在しています。どうしてなのかを考えると見えて来るものがあります。
“10年毎に塗り替えてください”と言うのならメーカーは供託して10年しか持たない塗料だけを作れば良いはず。ここに本質が隠されています。
外壁を長く持たせるというのは、塗り替え時だけではなく新築時の外壁にこそ検討されるはずです。メンテナンスは必要ですが、出来るだけメンテナンスフリーであれば良いからです。
例えば現在の住宅の7割の外壁がサイディングですが、メーカーは10年後に塗装しなくても良いサイディングを作った方が売れますよね?工務店もそんな外壁を求めるはずです。
サイディングはセメントに木の繊維を混ぜた板に塗装してあるので、塗装のグレードによってサイディングにもグレードがあるんです。その中で高耐久な塗装コーティングが施されているサイディングはやはり10年くらいでは劣化しません。
逆に、ローコスト住宅のように安く家を建てたい層向けには、住宅につかう素材や機材はすべて安く作らなければならないので、屋根も外壁もエコキュートなども10年未満で傷んでしまいます。
冒頭で言った10年を目安に外壁の塗装メンテンスを行ってくださいという思想を高耐久なサイディングの家にあてはめるのは違いませんか?
そもそも、20年間塗装メンテンスが不要なサイディングを張った家なのに、10年後に塗装したのではもったいないじゃないですか。さらに塗り替えた塗料が10年しか持たないなら、何もしなかった20年後と、(塗らなくても良かったのに)10年耐久の塗装をしたのと、同じ築20年後を迎えることになり、そのタイミングでまた塗装しなければなりません。
難しいですかね?20年メンテンス不要な外壁は築20年経過して初めて塗り替えれば良いのに、10年目で10年しか持たない塗料で塗り替えると損ですよということです。
次に、現実的な話をします。
この際、すべての住宅が10年毎に外壁を塗り替えた方が良いと仮定しましょう。もっと突き詰めて、10年毎にすべての住宅を塗り替えなければならないと仮定しましょう。
そこで質問です。もしそうだとしたら、みなさんは10年毎にちゃんと塗り替えますか?あるいは、10年毎に家を塗り替えられますか?
私はNOです。
私は塗装屋の社長である前に一消費者です。10年毎に自宅を塗り替えるのかと言えば塗り替えません。いいえ塗り替えられません!と言うのが正しいです。
10年なんてあっという間です。住宅ローンも25年残っているし、新築したのが30歳くらいだったとしたら、子供の養育費(学費)がいちばんかかる時期にあてはまりませんかね?あるいはもしかすると車を乗り替える時期にあてはまるかもしれません。
このように、実際の生活を考えたら、10年毎に塗り替えられない人がほとんどのはずなのです。
にもかかわらず、業界は10年毎の塗り替えをおすすめします!なんて未だに言い続けています。アホか!と思います(笑)
10年毎じゃなく、15年毎だったら現実味は増しますよね。なので大同防水は15年毎のメンテナンスを推奨しているのです。
それはつまり、10年先の仕事を無くす活動をしているのと同じ事なんですよ。ある意味バカですよね(笑)※何を塗っても10年しか持たない条件なら10年後にもう一度仕事が生まれるからその方が良いわけです
いかに自分たちのメリットだけを考えず、お客様の事を考えているかがわかって頂けるのではないかと思います。
塗装屋の社長だから塗装の素晴らしさを啓蒙する!・・・なんてことはしてません(笑)その前に消費者ですから。
そんなもん、家を塗り替えるお金があるのなら旅行に行きたいし、美味しいものを食べたいし、車を買い替えたいですよ。私もね。
でも家も大切。メンテナンスをして守っていかなければならない。やりたくはないけどやらなくてはいけないこと、それが家の塗り替えなのです。
だからこそ、失敗は許されないし、出来れば生涯に何度もメンテナンスをしたくない。しなくて良いように賢いメンテナンスをしたい。
そうなると、どんな塗料が良いのか、どういう下地処理をやっておくべきなのか、シーリングは先に打ち替えるのか後にするのか、遮熱や断熱、防かび防藻昨日、艶あり艶消し・・・どれが正解なのかを模索して見出さなければなりません。
だから、研究しつづけ研鑽し続けるんです。
そして大同防水が提案した工事が、見事に15年間持てたのであれば、それは会社として存在する価値があると私は思うのです。
どこでも使っているような塗料を安く塗るというのではなく、長持ちする塗料を出来るだけ安く塗る。そしてメンテナンスサイクルを延ばす。これが出来るなら、大同防水に頼んでもらえる立派な理由になるからです。
アフター点検に伺っていますが、10年前に屋根・壁共にシリコン塗料で塗り替えたお宅は、屋根も壁もやはり傷んでいます。当時はシリコンで良いという選択をしたものですが、10年後にまた塗り替えをしたくない方はシリコンよりグレードが高いフッ素や無機で塗り替えた方が良いです。
こちらをごらんください。南区の物件です。
このベージュのマンションの外壁は11年前にうちが塗装したものです。全く汚れてませんよね?
でもよく見てください。屋上にペントハウス(EV機械室)が見えると思いますが、外壁の色が薄くなってピンク色に見えませんか?
これ、実は外壁のベージュは無機質塗料を塗っており、ペントハウスの外壁はシリコンを塗りました。でも当時は同じベージュ色だったのです。
シリコン塗料は10年が限界だという証明です。そしてこの無機質塗料が現在も提案しているランデックスコートなのです。
おそらくこちらのマンションはまだ塗り替えられないはずです。でもシリコンを塗っていたら、そろそろ一度塗り替えなければならなかったはずです。どうでしょう?コストにして200万はかかると思いますのでそれだけのコストが浮いたことになります。
これが大同防水にご依頼を頂く価値です。今日は長くなりましたのでこの辺で終わります(笑)
ご相談お待ちしています。
ではまた~