住宅の基礎は塗装した方が良いのか?塗装しなくても良いのか?
このページでは、基礎の構造や種類、特徴などをまとめており、基礎に塗装する際の注意点やポイントなどついてわかりやすくまとめています。
目 次
住宅の基礎の構造
基礎に塗装する前に、まず基礎がどのように造られているを知ることが基礎塗装の重要なポイントになりますので、基本的な基礎の構造と種類、特徴などを説明していきます。
住宅の基礎はコンクリートで出来ています。コンクリートのまま仕上げてある基礎はなく、若干の段差などを隠すためにコンクリートの上からモルタルを塗って仕上げる方法と、防水塗装を施して仕上げる方法があります。
従来、基礎はモルタルで仕上げて塗装はしないというのが一般的でしたが、最近の新築住宅では基礎に防水塗装を行って仕上げるケースが増えています。
これは比較的浅い築年数で基礎がひび割れることによるクレーム回避策として、新築時から塗装で保護しておこうという流れが起こっていることが理由です。
まず、下の二枚の画像をご覧ください。
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モルタルで仕上げてある基礎
基礎コンクリートの上からモルタルを塗って縦に櫛で模様を付けた仕上げになっています
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防水塗装で仕上げてある新築住宅の基礎
基礎コンクリートを左官で補修したあと防水塗装で仕上げてある新築住宅の基礎です
モルタルを塗って仕上げてある基礎の方が塗装仕上げの基礎より通気性が高いので、特に基礎に異常がなくて、ただ色を付けてきれいにしたいだけであれば、基礎塗装はしなくても大丈夫です。
新築時から防水塗装してある基礎は通気性が低くなりますが、ひび割れは目立ちにくくなります。基礎の通気性については、床下に換気装置が組み込まれている場合は塗装しても問題ありませんが、換気装置がない住宅基礎に塗装をすると塗膜がふくれたりはがれてしまうので注意が必います。
基礎の種類【布基礎とベタ基礎】
住宅の基礎には【布基礎】と【ベタ基礎】と呼ばれる種類があります。1990年代は布基礎がメインで、地盤が弱い土地にベタ基礎を採用していましたが、2009年の瑕疵担保履行法の施行により、ベタ基礎ブームが到来しました。
よって2009年より以降に建てられた建物(現在2024年なので築15年未満の住宅)はベタ基礎が採用されています。
布基礎とベタ基礎の特徴
布基礎は外周だけがコンクリートでできており、床面は土のままです。布基礎は床下に湿気が溜まりやすく、害虫が侵入しやすいのでシロアリ被害にあうリスクも高くなります。
ベタ基礎は床部分もコンクリートで出来ているので床下の湿気が少ないです。また害虫が侵入しにくく、シロアリ対策にも強い特徴があります。
さらに地盤が弱い土地にもベタ基礎にすることで基礎(家の土台)が強くなるメリットがあります。
床下換気扇の効果は?
床下の換気効率を高めるためにソーラータイプの換気システムがあります。
訪問販売業者が売っているものもあるので、売り方についてはお勧めできない面もありますが、床下の換気を高めた方が良いという考え方は正しいですし、ソーラー発電で動くのはとても良い仕組みだと思います。
価格は安価なもので数千円のものからセットで18万円くらいのものまであります。床下換気を高めるには1箇所ではなく数か所取り付けないと効果が得られません。
床下換気扇が取り付けられている基礎は塗装しても問題はありません。
基礎に塗装する際の注意点
住宅の基礎は地中に埋まっている部分が24㎝~40㎝くらいあり、地中に埋まっている部分から基礎が水分を吸い上げるため、基礎は常に湿気を帯びています。
ですから、昔の住宅の基礎には塗装しないで湿気を排出できるようにモルタルで仕上げてあったのです。モルタル表面から通気出来るようにしていたということです。
とはいえ基礎も経年で傷んできますし汚れて来ますので、外壁がきれいになると足元の基礎もきれいにしたいものではないかと思います。
基礎に塗装はしても良いのですが、注意すべき点が基礎の通気性を妨げないようにすることなのです。
土間が土の場合とコンクリートの場合の基礎の劣化の違い
同じ住宅の基礎でも場所によって劣化の度合いが違ってくることがわかりました。下の画像は庭側の土間が土になっている基礎と駐車場コンクリート側の基礎の劣化状態を比較した画像です。
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土間が土になっている庭側の基礎
土間が土になっている基礎の劣化状態です。湿気や水分の影響でモルタル層が剥がれています。横長に剥がれているのは基礎コンクリートにコールドジョイントが存在していて、湿気が排出されやすくなっていることを示しています
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土間がコンクリートの基礎の劣化
同じ住宅の基礎でも土間がコンクリートになっている部分は剥がれていません。土間がコンクリートだと雨で土に染み込む雨水の量が少なくなるので基礎が含む湿気が少ないのです
上記のように、基礎が持っている湿気の量に比例して劣化の度合いが大きくなるということです。この比較検証からも、基礎に塗装する場合は通気性が高い塗料を塗る必要があることがわかります。
ベタ基礎に防水塗装をする際の条件
ベタ基礎の住宅の基礎に防水塗装すると、透湿性がある塗材を使っても、何も塗っていないモルタルの状態より湿気を閉じ込めてしまうので、室内側の基礎つまり、床下の換気が取れていることが重要です。
24時間換気システムが入った住宅は床下も部屋として捉えて、部屋と同じように換気が行われているので、基礎(外側)に塗装しても剥がれなどのトラブルは起こりにくくなります。
布基礎に塗装する際の注意点
絶対にNGなのが、【外壁に使った塗料が余ったので基礎にも塗る】というような行為です。基礎に塗れる塗料は限られていますので、専用の塗料を塗る必要があります。※ランデックスコートPB-5000推奨
また、基礎と同様に注意すべき部位が外構のブロック塀や門袖の塗装です。これらも本体が地中に埋まっている部分があるので常に湿気を帯びているので通気性が高い塗料を塗らないとふくれたり剥がれたりします。
ブロック塀の塗装についてはこちらのページで詳しく説明しています。