品川真一
秋のはずが昼間はまだ暑いくらいですね。寒いのは苦手なので良いんですけど、12月生まれの品川です(笑)
さて、昨日は商談中に別のお客様が飛び込みで来られて、なにやら店内に不穏な空気が流れていました。
私は商談中だったためスタッフが対応しましたが、その方は怒っておられる様子で聞き耳を立てていましたが、その後スタッフから私にヘルプが来ました。
他社の見積書を持参されていらして”他社に頼んだ工事が高い思うんじゃが、おたくはどう思う?”という趣旨でした。
まぁ、うちとしては他社を悪く言うのもアレなので、あとくされのないように対応させて頂きました。
これ、対岸の火事ではありませんね。一人のお客様の不満がどう飛び火するかわからないので・・・怖いですね。
その方は「この会社は金額の割に工事にかかった工数が少ないから儲け過ぎだ、払いたくない」と仰ってました。確かに原価を計算してみると、他社の見積もりはちょっと高いかなぁ・・・と思いました。
ただ、こういうことなんです。
例えば、私が新入社員を雇用する場合、先に雇用契約書を結ばないといけません。雇用契約書とは何時から何時までの勤務で休みがいついつで、休憩は何回あって何分ですよ、残業の有無など、事前に労働条件を提示して契約を結ぶものです。
その社員の給料が25万円の契約だったとします。そうして一ヵ月働いてくれた社員の給料日に、「君は給料の割に働きぶりが悪かったから25万は貰い過ぎだ。15万で十分だろ」と言えるかどうかです。
これはもちろんダメです(笑)
工事請負契約も契約してしまったら一方的には工事内容も金額も変更できませんので、納得されてから契約するようにして下さいね。
「おたくにお願いすりゃあ良かったわ~。やってみんとわからんかったけえのぅ・・・。次はお願いするけぇよろしく!」と満面の笑顔でお帰りになられました。
工事をやってみないと高いかどうかがわからなかった。人数計算と勤務時間を計算されていて高いんじゃないか?と仰ってましたが、これは工事をやる前からわかることですし、業者側が提示しなければならないことだと思います。
まず、その会社は契約書ではなく、見積書にサインをさせている形式でした。契約書としては雑すぎだと思いますし、当然印紙も貼っていないのでこれはNGです。
①見積書にサインをする形式では契約しない
次に、契約書には工期を記載しなければなりませんので、つまりは業者は工程表を提出する必要があります。この工事に金額はこれだけかかりますよ。そしてこれが工事に必要な日数です、という具合。
例えば見積もり金額が50万だったとして、工程表を見たら2日間の作業だったとします。誰もが高いと感じるのではないでしょうか?
たった2日で50万です。とはいえ新築工事の上棟などは1日で終わりますがその代わり大工さんが10人くらい来ますからね。工事日数だけではなく人数も重要です。
もしも金額に疑問を感じた場合は契約の前に納得行くまで質問されることをお勧めします。
②工事の所要日数と予定人数を聞いてから契約する(工程表提出を求める)
③疑問が払拭できかったらセカンドオピニオン。他社にも見積依頼をする
この3点が重要なポイントです。
その方はこうもおっしゃってました。
「こんなら、ぼろくそ儲けよるんで。みなにこがぁなことしよるんじゃろうて」翻訳:この業者はすごい儲けているのだろう。みんなに同じやり方をしているのだろう
私はそうは思いません。もしも、その業者が見積もり書を出したその場で急いで契約をさせて、市場価格よりも高い水準で工事を受注するようなやり方をしている会社だとしたら、そういう会社は発展しないと思うからです。
なぜなら、地域にある小さな会社は地元密着が基本なので、生き残っていくためにはお客様満足が不可欠だからです。おかしいことをやっていたら一気に悪評が拡がって知らぬうちに立ち行かなくなるはずですから。
それから解釈は一方的なものであるということも否めません。業者はそんなつもりはなくてもお客様がそのように受け取ってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、こちらは準備が必要なんです。どこから切ってもボロが出ないように、きちんとやるべきことをやる。その準備を見える化することが信用に繋がっていくと私は思います。
ではまた~