屋根を塗装でメンテナンスするか、カバー工法でメンテナンスするか、どっちがいいのかわからない、迷っているという方のためのヒントになるページです。
目 次
迷ったらカバー工法をおすすめします
スレート屋根を塗装でメンテナンスするかカバー工法でメンテナンスするか、迷われてませんか?
結論から言いますと、ご予算的にどうにかできる範疇であればカバー工法をお勧めします。なぜなら塗装した屋根とカバーした屋根とでは耐久性が2倍以上違うからです。さらに保証期間においては4倍も違います。
といっても実際は費用にかなりの差がありますから、絶対にカバー工法は予算的に無理!ということでないなら、カバー工法を選択されることをお勧めします。
※乾式コンクリート瓦や和瓦、高分子強化繊維瓦はカバー工法は出来ません
外壁と屋根の劣化スピードの違い
外壁と屋根とでは劣化速度が違うことをご存じでしょうか?
実は屋根は外壁に比べて1.6~1.8倍速く劣化します。
例えば、外壁に耐久性10年のシリコン塗料を塗ったとしましょう。同じく屋根にシリコン塗料を塗ると、外壁は10年持ったとしても屋根は5~6年しか持たない計算になります。
外壁の劣化スピードと屋根の劣化スピードが違うと、生涯のメンテンスサイクルにズレが生じてしまいます。例えば10年ごとに塗り替えるとして、屋根は次の10年目まで4~5年危険な状態が続くことになるのでこれはよくない計画です。
このメンテナンスサイクルのズレを併せるためには、外壁にシリコンを塗ったとしても屋根にはワンランク上のフッ素塗料を塗る必要があります。
そのくらい屋根は過酷な条件下に晒されているので、外壁塗装よりもじっくり考えられることをお勧めします。
屋根カバー工法とは
屋根は葺き替えるもの、というイメージがあるかと思いますが、現在はカバー工法が主流になっています。大同防水も塗装屋ですが、屋根塗装よりもカバー工法の方が多く施工させていただいております。
カバー工法とは、現在の屋根の上から新しい屋根を被せる工法で、ガルバリウム鋼板を被せるのが一般的ですが、このガルバリウム鋼板は1972年にアメリカで開発され、35年以上の歴史があります。
これにより1990年代から板金部分に用いる素材はトタンからガルバリウム鋼板へシフトされています。
ガルバリウム鋼板をひとことで言えばアルミと亜鉛メッキの合金で軽くて錆びにくい金属でステンレスより安価なため、住宅に多く使用されています。
2021年度の国内屋根材市場調査において、金属屋根が63.2%を占めており、日本国内の屋根の素材の中で金属屋根が最も多く締めてきていることがわかります。
日本と言えば粘度瓦のイメージがあると思いますが、13.4%と少なくなっています。この流れは地震対策上屋根は軽い方が有利になるという思考が働いているものと考えられますが、素材の耐久性が長いことも金属屋根が増えている理由のひとつではないかと思われます。
エスジーエル鋼板
ガルバリウム鋼板よりも強いのがエスジーエル鋼板です。ガルバリウムにマグネシウムを添加したものをエスジーエル鋼板といいます。
エスジーエル鋼板を作っている日鉄鋼板株式会社がガルバリウム鋼板にマグネシウムを2%だけ添加すると耐食性が3倍になることを発見したとのことですが、2%だけというのところにものづくりマイスターのこだわりを感じますね。
大同防水がお勧めしているのがアイジー工業のスーパーガルテクト。スーパーガルテクトはエスジーエル鋼板です。
カバー工法のメリットデメリット
カバー工法のメリットは、既存の屋根材を剥がさないため廃材処分費が少なく済む点です。また、既存の屋根の上から施工するので施工途中に雨が降っても雨漏りする心配がありません。
デメリットは既存のスレート屋根下地が傷んでいた場合、そのまま被せてしまうと隠れてしまう点です。カバー工法を行う場合は、既存屋根の下地が腐食していないかどうかを調査して、必要であれば部分的に下地の交換が必要です。
カバー工法の施工手順
1.高圧洗浄
既存の屋根表面に汚れや苔などの微生物が付着しているので、そのまま屋根をカバーせずに高圧洗浄を行い汚れを落とします。
この時点で既存屋根がどのくらい劣化しているかが分かります。高圧洗浄は10Mpaの水圧で洗浄するので、脆弱層は水圧で取れてしまいます。
中途半端に弱いままより脆弱層は取ってしまった方が良いので高圧洗浄は必須です。
2.ルーフィング張り
既存屋根の上からルーフィングを張って行きます。ルーフィングは水下側から水上に向かって張ります。また、谷部や棟部は増し張りを行い補強します。
このルーフィング層を二次防水層といい、二次防水層を完璧に施工しておけば絶対に雨漏りしない屋根にすることができます。
3.板金を留め付ける
軒先やケラバ、谷などに板金を取り付けていきます。軒先の板金にポイントがあるのですが、屋根をカバーするということは元の屋根の高さより高くなるので軒樋から雨水が溢れるのではないか?屋根をカバーするなら雨樋も一緒に交換になるのでは?というイメージがないでしょうか?
実はカバー工法用の軒先唐草は階段のような段差形状になっていて、雨樋を交換しなくとも元の雨樋に雨水が流れ込むような形状になっています。
この軒先唐草(セットバックスターター)の段差形状により屋根上を流れてきた雨水の速度が落ち、元の雨樋(軒樋)にスムーズに流れていくことが出来るのです。
4.スーパーガルテクトを張る
スーパーガルテクトは働き長さが2,960mmと約3mあり、1枚当たりの重さは4㎏です。
下地に対してスーパーガルテクトを一枚づつ丁寧にビスで留めていきます。このビス穴はスーパーガルテクトの重ね部分(かんごう部分)の下側になるので、次の上段のスーパーガルテクトを張れば隠れるため屋根材の表には出ません。
スーパーガルテクトが施工できる地域
スーパーガルテクトの施工については最深積雪量が30cm以下の地域に限定されています。積雪量の多い地域ではすが漏れが起こるため施工は出来ませんが、広島県内は県北の一部を除いて施工可能です。
カバー工法の雨仕舞い
カバー工法は誰がやっても同じではありません。板金工事になりますので板金工が施工しますが、要所で施工上の工夫が重要になります。
例えば最も雨水が集まりやすい谷部分やトップライトがある場合は雨水を受け止めてしまうので、スムーズな排水に誘導する雨仕舞いが必要になります。
大同防水は雨漏り119で培った知識があるので絶対に雨漏りしないカバー屋根を造ります。スーパーガルテクトの施工は大同防水にお任せください。