品川真一
正しさだけで突き進んで行こうとすると物事はうまく行かない
これは30代になって学んだことです。20代の頃は正しさを追求していたのでたくさん失敗をしました。反省していますしあの頃は若かったなぁ・・・と思っています。
こうすべきだ、こうしなければならないという想いは自身の中で思うのは良いと思いますが、それを第三者に押し付けてはいけないと思っています。
そうした考えの人がトップに立ち、しかも何かしらの権力を持つ立場の人だとしたら、非常に恐ろしいことです。やがてみんな目を合わさないようになり、口を噤んでしまうでしょう。
これを現実として垣間見て、どうして、いいぞ!もっとやれ!見習え!と言えるのか、私には理解できません。
どちらが正しいかは置いておいて、もしも、正しさだけを追求して行く人が上司だったら付いて行きたいと思えるか?この人について行けば何かが変わる、変えられると信じることができるか?を問うてみた時に、YESと答えられる人が一体どのくらい要るのでしょうか?
いくらフォロワーが多くいるとしても、それは所詮対岸の火事ではないでしょうか?何かアクションを起こす度に正しさを追求され、何が事実かを問いただされる、さらに言えばいつもあちらが正しくてこちらが間違っている、これでは人間関係が上手く行かなくて当たり前ですね。
頭の良い人や高学歴な人は授業中に居眠りしたことがないんでしょうか?セミナー中に眠くなったことはないのでしょうか?ないのかもしれませんね。でも居眠りをしないから良い大学に入れる、居眠りするようなやつはおかしいんだというロジックにはなりません。
確かに、会議室は居眠りをする場ではありません。それは学校であろうが塾であろうがセミナーであろうが仕事中であろうが同じです。ただひとつの考え方として、居眠りをさせてしまうほどつまらない内容なのかもしれないという観点では見られないでしょうか?あるいは、体調が悪いのかもしれません。
私はセミナー講師を務めることがよくありますが、大前提として眠くならないセミナーというものを意識して内容を作っています。眠る=内容が面白くない、声が眠くなる、リズムが単調なのではないかと考えているからです。それでも寝る人は0ではありませんが、1セミナー中で居ても1人くらいです。
おい、そこの君、君は何をしに来ているんだ?君は会社の代表で受講しに来ているんだろう?君を受講させようと思った社長の気持ちがわからないのか?いくら払って貰っていると思ってるんだ?恥を知れ!恥を!・・・などとは言いません(笑)私は何も注意しません。
忙しい中日程調整して参加しているのに寝るという選択をしたのは本人ですから。寝れば当然試験は出来ないので不合格になる、それだけです。運営者がセミナーを中断してまでわざわざ個人を注意をすることではありません。それは他の人の時間を奪うことになりますからね。
セミナー開始前は全員起きてますから、そこで試験に合格するポイントを3つ話しています。
1.寝ない
2.繰り返し話すことをしっかり覚える
3.面白かったら笑う
毎回冒頭でこう伝えています(笑)
それでも寝る人はしょうがないです。でもギャーギャー騒がれるより良いんじゃないですかね、その人は静かに寝てるのだから(笑)あ~、せっかく今日チャンスを得て来てるのに、お金も発生しているのに会社の期待に応えていないなぁ、実にもったいないなぁとは思いますよ。
でも、寝てはいけない場面で眠くなることもありますよ、人間だもの。間違えることもあります。大前提として、そうした人間の弱さも包括しながら向き合っていかないと、物事を変えたいのか、それとも相手を変えたいだけなのか、何がしたいのか不明瞭になってしまいます。
私はPTAに6年間従事しそのうちの5年間は会長職でした。改革が必要だと思い会長に立候補したのですが、改革が必要だと思ったものはPTAのさまざまな施策の前に人間関係でした。
学校や地域団体との関係の正常化、さらには執行部内の人間関係の正常化です。そこから始めなければ何も始まらないし何も変えられないと思い、改革には3年も費やしました。
改革を唱えてもすぐには実現出来ないんですよ。それだけ根回しが必要なんです(笑)徐々に徐々に理解者や仲間を増やして行って、1が2になり、2が4になる。ようやく過半を超えた時に初めて物事が動く。それまでフォロワーを増やしていくために大義を繰り返し繰り返し、唱え続けなければなりません。
確かに、貴方は正しい。でもやり方が間違っていると思います。せっかくやろうとしていることがこのままでは空振りで終わってしまうのではないかと危惧しています。そしてその結果をおそらく、人のせいにするんだろうな・・・と予想しています。
私が思うに、是非真似をしてくださいと他に勧められるような事例ではありません。むしろ真似してはいけない相手を強制的に変えようとする外的コントロールの最たる例ですね。
観ていて非常に不快ですが、人の振り見て我が振り直せで勉強になりました。私も自分が正しいと思いがちなところがあるので気持ちはよくわかるんですが、昔の自分を見ているようで痛いです。
和を以って制す これですよ。
分かっていても自分もそうなっているんじゃないかと、鏡を見る機会を頂きました。ありがとうございます。
ではまた~