
塗装工事を行うためだけに組む足場。工事が終わると無くなってしまう足場。できるだけ安い方が良いと思いませんか?でもそれは危険かもしれません・・・
目 次
外壁塗装の見積もりで足場代が各社違うのはどうして?
外壁塗装工事には必ず足場が必要ですが、数社から見積もりを取ってみると足場代が各社全然違うので一体何を信じていいのかわからないというような悩みですね。
ひとくちに足場と言っても、足場の種類や関係法令があるのをご存知でしょうか?
足場の種類が違えば施工単価も違いますから、足場代に差が出るのは当然と言えば当然です。
しかし足場は職人が安全に作業できるよう、また細かいところまでしっかりと施工できるよう組むものですから、いくら工事が終わったら無くなるものであっても、コストを削ると品質に比例してしまうので本末転倒になります。
足場の種類と特徴
ビティ足場(枠組み足場)㎡あたり1200円~
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ビティ足場は作業床の幅が広く、主に高層ビルやマンションなどの建設工事、橋梁などの土木工事に使われています。
枠の幅が広いため、土地境界が限られている戸建て住宅の外壁塗装工事にビティ足場が使われることはほとんどありません。
ビケ足場(くさび緊結式足場『くさびきんけつしきあしば』)㎡あたり800円~
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ビケ足場(くさび緊結式足場)は、ビティ足場よりも枠幅が狭く、主に一般の住宅の建築や外壁塗装工事などに使われます。
くさび緊結式というように、足場の部材と部材をたたき込むことで組み立てていきますので、組み立て・解体時にハンマー騒音が出るのが特徴です。
単管足場 ㎡当たり600円~
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単管足場は、主に隣地境界が狭く作業床が確保できない場合、あるいは足場に段差が生じて枠組みできない時などに使われます。
見積書に足場単価が600円くらいで記載してある場合はこの単管足場で組み立てるものと思われますが、住宅に使う場合は安全衛生法違反となります。
足場に関わる法律があることを知ってますか? 労働安全衛生規則
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労働安全衛規則の第546条で、高さが2m以上の足場には幅40cm以上の作業床がなければならないと規定されております。
したがって、住宅でも作業床が設けられる足場を組み立てられるのにもかかわらず、作業床がない単管足場を使うことは違法ということになり、事故を起こすと厄介なばかりか、サルの曲芸のように単管にぶら下がって丁寧な塗装作業ができるはずがありません。
そもそも、いくら安くても作業しにくい違法な足場を組むつもりで提案してくるような塗装業者は避けた方がよろしいかと思います。
*画像は全国仮設安全事業協同組合ガイドラインより抜粋
足場代が違う
このように、足場と言ってもどのような組み方をするかによって単価が違ってきます。足場代が安い業者は単管足場で組むことが多いので注意が必要です。
原則として、足場には作業床が必要なので、敷地が狭いなどの制限がなく作業床を設けることができるのに作業床のない単管足場を組むというのは違法なのです。
小さな塗装店には自分たちで足場を組んで自分たちで塗装するところもあります。一見その方がコストも下がって良さそうに聞こえるのですが、作業床がない足場では作業がしにくい上に違法となると、いくらコストを下げるためだとは言っても法律に違反してまでそうするような会社が果たして良い仕事をしてくれるのかといえば疑問ではないでしょうか。
どのような足場を組むのかは必ず事前に業者に確認するようにしましょう。実際に足場を組んだ写真を見せてもらうのが安心です。