
訪問販売業者が「そろそろ塗り替えた方がいいですよ」としつこく営業してくる。本当に今塗り替えする必要があるのかしら?
そんなときは、まずご自身でチェックしてみて下さい。ここでは自分でもできる外壁・屋根のかんたんな診断方法をご説明します。
目 次
塗装するべきか?まだしなくていいのか?の判断
塗装するべきか?まだしなくていいのか?の判断は、家としての最低限の機能を果たしているか?です。家の機能は、雨露をしのぐこと。つまり、雨漏りがしないこと、結露しないことが重要になります。
もしも雨漏りしていたり、押入れの中が結露していたり、壁紙にカビが生えているようであれば外装メンテナンスをする必要があります。
営業マンがよく言うのは、「ひび割れ」だとか「塗装がはがれている」とか、「色褪せている」とか、単に外観上のことを言って来ますが、本当に大切なのは家が本来の機能を満たしているかどうかです。
極端な話、外壁が少々汚れているくらいであれば今すぐに塗り替える必要はないわけです。
ただし、生涯メンテナンスにかかるトータルライフサイクルコスト(修繕費用)の面で不利にならないように適正な時期に手を入れる必要はあります。
雨漏りしていないかどうか窓まわりをチェックする
-
-
普段カーテンを閉めっ放しの窓はないですか?
お子様の部屋の窓やクローゼット、書斎の窓や階段室の窓など、年中カーテンやブラインドを閉めたままの窓や普段あまり気にして見ることのない窓があれば、窓周りをチェックしてみて下さい。
もしも窓枠に染みがあったり、壁紙クロスがべろ~んとめくれていたりすると雨漏りの可能性があります。
万が一雨漏りしている場合は外壁塗装しただけでは直りませんのでご注意ください。怪しいと思ったら雨漏りのプロにご相談ください。
雨漏りのレベル
ステージ1(1点)・・・窓まわりの壁上クロスがめくれている→雨漏りの可能性
ステージ2(2点)・・・窓枠のコーナーに濡れた痕のような染みが見られる→雨漏り
ステージ3(3点)・・・窓枠全体にに濡れた痕のような染みが見られる→結露
外壁を手で触ってみる
-
-
外壁を手で触ってみてください。指先でこすると白い粉のようなものが指に付着することがあります。これをチョーキングと呼びます。
黒板に文字を書くときにチョークを持つと指先にチョークの粉が付きますよね?それで覚えて下さい。チョーキング現象は塗料の中の顔料が紫外線の影響により分解されてしまった状態です。
チョーキング層は一見洗浄したら除去できると思われがちですが、結合の分解なので水で洗い流しても永遠に白い粉が出てきます。残ったチョーキング層はシーラーで固めて上から再塗装します。
チョーキングのレベル
ステージ1(1点)・・・白い粉はつかないが指先に傷のような白い線が入る→軽微な劣化
ステージ2(2点)・・・指で何回かこすると白い粉が指に付く→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・1回さわっただけで指先が白くなる→著しい劣化
外壁に水を吹きかけてみる
-
-
外壁にスプレーなどで水を吹きかけてみて下さい。
水がじわ~っと馴染んで外壁表面を流れ落ちるようであれば正常ですが、外壁が水を吸い込んでしまうようであれば塗り替え時期を迎えているサインです。
外壁は水を吸い込まない状態でなければなりません。例えば、水分をたっぷり染み込んだ外壁は苔が生えやすくなります。
また、冬場はその水分が凍ってしまい、体積が膨張する圧力で塗膜表面や外壁材自体が剥離してしまうことがあります。これを凍害といいます。
吸水性のレベル
ステージ1(1点)・・・水がなじんで下方に垂れる→健全な状態
ステージ2(2点)・・・水を吸い込んで下方に垂れない→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・水をすごく吸い込んで水分がなくなっていく→著しい劣化
雨どいのつなぎ目から漏れていないか?
-
-
外壁と同じくらい大切な部位が雨樋(あまどい)です。昨今の雨どいは四角い形状の角どいが主流になってきております。
これは従来の丸どいよりも多くの雨水を受け止められるようにしているのと、受け金具が見えないのですっきりとした印象になります。
丸どいはぐにゃぐにゃ曲げても割れにくいのですが、雪の重さなどで歪んでしまいます。一方、角どいは歪みには強いのですが、つなぎ目が割れてしまうことがあります。
特に冬場になると角どいは日中比較的気温が高いときには伸び夕方気温が下がると縮むので、その力でつなぎ目のノリが外れてしまうので、つなぎ目から漏水してしまいます。
漏れているかどうかの見分け方は、つなぎ目が白くにじんでいるかどうか。白くにじんでいる場合は漏れています。
雨どいの劣化レベル
ステージ1(1点)・・・色褪せ・つなぎ目が白くなっていない→健全な状態
ステージ2(2点)・・・色褪せ・つなぎ目が白くなっている→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・割れ・湾曲・雨が漏れている→著しい劣化
屋根をチェックする
-
-
2階の屋根に上がるのは危険なので絶対にお辞めください。1階の屋根(下屋・げや)がある場合、窓から下屋の状態を見て下さい。
屋根表面の色があせていたり、苔が生えているなら、塗り替えもしくは葺き替えの時期を迎えています。
カラ―ベストは表面の塗装が傷むと雨水を吸い込んでしまい、冬場になると凍りますがその体積膨張で割れてしまいます。
また雨の日と晴れの日の屋根の色を写真に撮影するなどして見比べると、劣化しているかどうかがわかりやすいです。
雨の日は色が濃く見える場合は、メンテナンスの時期を迎えていると思ってください。
カラ―ベスト屋根の劣化レベル
ステージ1(1点)・・・艶がある→健全な状態
ステージ2(2点)・・・色褪せ・苔がはえている→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・ひび割れや錆、全体が白っぽく見える→著しい劣化
シーリング(コーキング)が切れていないか?
-
-
サイディングの目地や窓まわりのシーリングが切れていないかどうかをチェックしてみて下さい。
シーリング表面がひび割れている場合は、メンテナンス時期を迎えています。また、シーリングが切れている状態には2種類あります。
正常な劣化でシーリングが切れることを破断といいますが、この場合は目地の真ん中でシーリングが割れるような状態になりますが、左右のどちらか一方だけシーリングが切れている状態を界面剥離(かいめんはくり)といいます。
界面剥離は、サイディング断面の被着面のどちらか一方の密着力が乏しいことから起こります。シーリングが伸縮する力の方が接着力を上回っていることを示しており、どちらかと言えばシールプライマーの塗布不足が主な原因になります。
シーリングの劣化レベル
ステージ1(1点)・・・表面がひび割れている→軽微な劣化
ステージ2(2点)・・・真ん中で割れている→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・左右のどちらか一方が剥離していて青いビニルが見える→著しい劣化
ベランダFRP防水の診断方法
-
-
ベランダがFRP(Fiber-Reinforced Plastics の略称:強化繊維プラスチック)防水の場合は、防水表面をよく見てみて下さい。亀甲状のひび割れが見受けられる場合はメンテナンスの必要があります。
特に床面と立ち上がり面の入隅コーナーがひび割れが発生しやすい部位なので注意が必要です。
ベランダに保護パネルが敷いてあって直接防水層を確認できない場合は、保護パネルをいったん取り外してから、防水の状態を確認する必要がありますが、保護パネルが敷いてある場合は紫外線の影響を受けにくいので、健全な状態の場合がほとんどです。
保護パネルが敷いてある場合は、立ち上がり面の露出している部分でチェックしてみて下さい。
ベランダFRPの劣化レベル
ステージ1(1点)・・・黒く汚れている状態→健全な状態
ステージ2(2点)・・・部分的に色褪せている・亀甲状のひび割れが多数ある→通常の劣化
ステージ3(3点)・・・大きなひび割れや段差が生じている→著しい劣化
20点以上 | 早急なメンテナンスが必要です。業者選びに入って下さい。 |
---|---|
10点以上 | メンテナンス時期を迎えています。遅くとも1年以内にメンテナンスされることをお勧めします。 |
9点以下 | メンテナンスをするには2~3年程度早いですが、今メンテナンスしてはいけないということではありません。 |